米Robinhood Marketsが、年率0.25%の手数料で提供する新たな資産運用サービス「Robinhood Strategies」と、年内開始予定の銀行サービスを発表した。対象は従来の裕福な層に限定されていた分野であり、同社は個人投資家への門戸拡大を狙う。

業績も好調で、第4四半期は純利益が前年同期比10倍の9億1,600万ドルに達し、1株利益は市場予想の倍以上となる1.01ドルを記録。ARPUは164ドルと大きく改善している。

こうした成長と事業拡大を背景に、アナリストはHOOD株に「中程度の買い」評価を付与。目標株価は現在値から56%高とされており、今後の株価動向に注目が集まる。

業績急伸の背景にあるARPUの倍増と投資家の信頼回復

Robinhoodが発表した2023年第4四半期決算では、純利益が前年同期比で10倍の9億1,600万ドルに達し、希薄化後1株利益も市場予想を大きく上回る1.01ドルとなった。売上高も前年から115%増の10億1,000万ドルと、アナリスト予想を上回る成績を記録している。中でも注目すべきはユーザー1人あたりの平均収益(ARPU)が164ドルと前年から倍増した点であり、収益構造の強化が顕著に表れている。

この成長は、アプリの利用者層の拡大と、従来の手数料無料モデルからの収益多様化によって実現されたと考えられる。また、資金供給済みアカウントが2,520万件に達したことも、プラットフォームへの信頼と定着を裏付ける要素となっている。広範な市場の売りの影響で株価は52週高値から約40%下落しているが、業績改善が続く限り、下値には一定の抵抗感があると見られる。数字に裏打ちされた業績回復は、投資家心理における信頼の再構築にも寄与しつつある。

資産運用と銀行業への進出がもたらすRobinhoodの構造転換

3月26日に発表されたRobinhoodの新戦略「Robinhood Strategies」は、年率0.25%という低水準の手数料で資産運用サービスを提供し、「Gold」会員には年間最大250ドルの上限を設ける設計である。この価格設定と戦略は、高額資産層に限定されがちだった個別資産運用サービスを、広範な個人投資家層へと開放する意図があると見られる。同時に、年内には不動産・税務アドバイスを含む銀行サービス、2025年後半にはAIによる投資支援ツールの導入も予定されており、金融サービス企業としての性格が大きく変容しつつある。

この流れは、Robinhoodが単なる取引プラットフォームから、包括的な金融ソリューション企業へと脱皮を図る過程であり、同社の事業領域拡大に伴い収益の安定性と継続性を高める可能性がある。従来、急成長とともにリスクも指摘されてきたが、資産運用や銀行業という堅実な事業基盤の構築が進めば、企業の持続的成長に対する見方も変わるだろう。実体のあるサービス拡充が、株主価値の再評価を促す契機となることは否定できない。

株価見通しに対する市場評価と投資家の判断軸

現在、Robinhoodの株価は年初来で10.3%上昇しており、過去52週では104%を超える伸びを記録している。とはいえ、広範な市場の調整局面に伴い、ピークからは約40%の下落も見られている。こうした中で、複数のアナリストが同社株に対し「中程度の買い(Moderate Buy)」との評価を付けており、平均目標株価を現在の水準から56%高い65.63ドルとする見方がある。

ただし、この評価は過去の実績と今後の成長計画に基づくものであり、実際の株価推移は市場全体の動向や、Robinhoodの新規事業の進捗に左右される余地も大きい。特に、AIツールの実装や銀行サービスの利用者獲得状況が、短期的な投資判断において重要な指標となり得る。成長ポテンシャルとリスクを天秤にかけた慎重な見極めが、今後の投資判断の成否を分けることになるだろう。株価の回復余地があるとはいえ、明確な判断材料としては事業遂行力の検証が欠かせない。

Source: Barchart.com