Nvidiaの株価が3か月で22%下落した。背景には、ドナルド・トランプ前大統領が4月2日に予定する「解放の日」における新関税導入の構想がある。輸入品に対する「相互的」関税により貿易摩擦が激化する懸念が広がり、テクノロジー株全体に重しとなっている。

一方、Bernsteinのステイシー・ラスゴン氏は、AI関連投資の実需は衰えておらず、押し目買いの好機と分析。DeepSeekの低コストAIモデルも半導体需要をむしろ刺激するとの見方を示した。

市場では、現在の調整局面を一時的と捉える見方が優勢で、Nvidia株は依然として「強い買い」の評価が維持されている。


「解放の日」とテクノロジー株の連動性が示す市場の脆弱性

ドナルド・トランプ前大統領が「解放の日」と位置付ける4月2日を前に、Nvidia株が下落基調を強めている。トランプ氏が打ち出す「相互的」関税政策は、特に中国などからの輸入品に対象を絞る意向とされるが、その実施が広範な貿易摩擦を再燃させる懸念を呼び起こしている。テクノロジー関連株はグローバルサプライチェーンへの依存度が高く、関税によるコスト増が業績圧迫要因と受け止められている。

過去3か月で22%の下落を記録したNvidia株は、その象徴的存在だ。半導体業界における需給のひっ迫、AI需要の鈍化懸念に加え、地政学的なリスクがリスクプレミアムとして上乗せされている。短期的には過度な悲観とも映るが、市場の脆弱性が一部顕在化しているとも解釈できる。トランプ氏の政治的動きが経済政策の不確実性と結びついた時、センチメント主導でテック株が動く構造は変わらず、これは今後の市場変動にも一石を投じる現象といえる。

Bernsteinが語るNvidiaの下支え要因とAI市場の実像

Bernsteinのアナリスト、ステイシー・ラスゴン氏は、Nvidiaに対する強気スタンスを継続している。株価下落の一因とされるAI成長の鈍化懸念についても、実需面からは明確な証左が見当たらないと指摘する。実際にAIに投資する企業の間では、支出の削減よりも拡張が続いており、現場レベルでの需要は依然として堅調との見方が広がっている。Nvidiaに対しては「アウトパフォーム」の格付けが維持されており、185ドルという目標株価は現水準から76%の上昇余地を示す。

また、中国のDeepSeekが発表した低コストAIモデル「R1」についても、計算需要を抑制するどころか逆に刺激する可能性が高いとされている。ジェンスン・フアンCEOによると、推論を伴う高度な処理ではR1でも最大100倍の演算能力を要するという。コスト削減は導入の障壁を下げ、ひいては半導体需要の裾野を広げるという点で、歴史的にも業界の成長ドライバーとなってきた。現時点の市場反応は過度な警戒感に基づくものであり、構造的な成長シナリオに対する評価が再び高まる局面も想定される。

Source: Barchart