テスラ(TSLA)の株価が2025年第1四半期に34%急落し、約3年ぶりに最悪の四半期成績を記録した。背景にはイーロン・マスクの政治的発言への批判やテスラ車への破壊行為の多発、さらにLucidのような競合への顧客流出がある。
一方、アナリストのスティーブン・ジェンガロ氏は、トランプ前大統領が打ち出した25%の輸入車関税に対してもテスラは相対的に強く、中長期では反発の余地があると指摘。FSD導入やエネルギー貯蔵事業の展開も株価の支えとなる可能性がある。
現時点でのテスラ株は2024年12月の高値から40%以上下落しているが、平均目標株価は334ドルとされており、市場は依然として一定の回復力を見込んでいる。
異例の下落に直面したテスラ株 破壊行為と顧客流出の影響

2025年第1四半期、テスラの株価は34%も急落し、過去3年間で最も悪い四半期パフォーマンスとなった。背景には、イーロン・マスクの政治的発言への反発が根強く、企業イメージが毀損されたことがある。さらに同年に入ってから、テスラ車を標的とした破壊行為や放火事件が複数発生しており、安全性や社会的評価に対する懸念が高まっている。
これらの動きは消費者の購買行動にも影響を与えている。Lucidのマーク・ヴィンターホフCEOによれば、直近数ヶ月間でLucidへの新規注文の約半数が元テスラユーザーからのものであるという。これはブランドロイヤルティの崩壊を示唆するものであり、EV市場におけるテスラの優位性が問われている。
テスラはこれまで、革新性とブランド力によってEV市場を牽引してきた。しかし、現時点ではその立場が大きく揺らぎつつある。特に米国内外の政治的リスクや社会的対立が経営に影を落とす以上、ブランド力に依存した成長モデルは限界を迎えている可能性がある。
関税政策とFSD導入が握る反発の鍵 ウォール街は依然強気
スティフェル社のスティーブン・ジェンガロ氏は、テスラの短期的な不安定性を認めつつも、中長期的には成長軌道に戻る可能性を示唆している。彼は、ドナルド・トランプ前大統領が発表した25%の輸入車関税において、テスラは他社より優位に立てる構造を持つと見ている。この分析は、同社の米国国内生産比率の高さを前提としたものであり、政策リスクへの耐性が評価されている。
また、同氏は今後数ヶ月以内に導入が予定されている監視なしの完全自動運転(FSD)が、株価上昇の一因となり得るとも言及している。テキサス州での展開が先行するこの技術は、競合他社との差別化を図るうえで重要な意味を持つだろう。加えて、エネルギー貯蔵事業の拡張も今後の収益源として期待されている。
現在のTSLA株は2024年末の高値から40%以上も下落しているが、ウォール街では依然として平均目標株価を334ドルと見ており、約20%超の上昇余地があるとされる。市場が揺れ動く中でも、技術革新と政策対応力に裏打ちされた評価が根強いことがうかがえる。
Source:Barchart