Pixel 10 Pro Foldは、Pixel 10シリーズの他モデルとともに2025年後半に登場予定とされるが、外観や寸法はPixel 9 Pro Foldとほぼ同一で、大きな変化は見られない見込みだ。展開時のサイズはわずかに厚くなる可能性があるが、全体としては現行モデルと非常に近い仕上がりとなりそうだ。

注目すべきは内部仕様で、Googleが初めてTSMCに製造を委託した3nmプロセスの「Tensor G5」チップが搭載される予定であること。また、メモリ16GB、ストレージ256GBという構成が予想され、性能面での進化が期待されている。

外観に大きな変更なし Pixel 10 Pro Foldのサイズと構造を再検証

Pixel 10 Pro Foldの展開時サイズは155.2 x 150.4 x 5.3mmとされ、Pixel 9 Pro Foldと比べてごくわずかな厚みの増加以外に顕著な違いはない。Pixel 9 Pro Foldは同じ高さと横幅を持ちつつ、厚みが5.1mmであったことから、0.2mmの差は構造上の微調整にとどまる可能性が高い。開閉機構やヒンジ部分の剛性が見直されているとすれば、長期使用における耐久性の向上を意識した設計と捉えることもできる。

ディスプレイに関しては現時点で確定情報はないものの、6.3インチのカバーディスプレイと8インチの内部ディスプレイという構成は継続される見通しだ。特に折りたたみ構造においては大画面と携帯性の両立が鍵となるため、使い慣れたフォルムを維持しながら内部のブラッシュアップを図るという判断は理にかなっている。

デザイン刷新を望む声もあるが、Pixelシリーズでは過去にもデザインの継続性が重視されてきた経緯があり、今回も外観より内部進化に軸足を置いた製品であると考えるのが妥当だろう。

Tensor G5が鍵を握る TSMC製チップによる性能の行方

Pixel 10 Pro Foldには、Googleが自社開発したTensor G5チップが搭載される見込みであり、これまでのSamsung製チップと一線を画すのが大きな注目点となっている。特に今回のTensor G5は、TSMCの最新3nmプロセス「N3Eノード」で製造される予定で、このプロセスはAppleのA18 Proにも採用されている技術である点が重要だ。

チップセットがTSMC製に切り替わることで、発熱の抑制や電力効率の改善が期待される。過去のTensorチップでは、ピーク性能時の発熱やバッテリー消費に課題が見られたが、N3Eノードでの製造はこれらの懸念を和らげる要素となる可能性がある。また、搭載されると見られる16GBのRAMと256GBのストレージは、Androidフォルダブル端末としてもハイエンドクラスの構成だ。

とはいえ、新プロセスにおける歩留まりや安定性には慎重な目が必要であり、実機のレビューや実用シーンでの評価が出そろうまでは、飛躍的な向上を断定することはできない。Tensor G5の真価は、実際の使用環境でのパフォーマンスによって初めて判断できる領域にある。

発表時期と価格の動向 他社製品とのタイミングに注目

Pixel 10 Pro Foldの正式発表は2025年8月とされており、このタイミングはSamsungのGalaxy Z Fold 7シリーズの発表後、AppleのiPhone 17シリーズより前に設定される見通しである。これは市場の注目が分散しやすい夏季において、比較的高い注目を得るための戦略的なスケジュールとみられる。特に、フォルダブルスマートフォン分野においては、Samsungが先行する中で後発のGoogleがインパクトを残すための時間的猶予が確保される点が興味深い。

一方で価格に関しては、現行のPixel 9 Pro Foldが1,799ドルであるのに対し、Pixel 10 Pro Foldはわずかに低価格になる可能性が報じられている。スペックが強化されつつも価格が据え置かれる、または若干の値下げとなれば、競合との価格差が注目されるポイントとなる。

ただし、価格設定は各地域の通貨状況や輸送コスト、部品の供給体制によって左右されるため、正式発表までは具体的な価格を予測するのは難しい。性能向上と価格調整のバランスがどのように取られるのかが、今後の評価に大きく影響しそうだ。

Source:Digital Trends