AMDがノートPCや携帯型PC向けに展開中の高性能APU「Strix Point」のデスクトップ版を、2025年第4四半期に投入する計画が報じられた。最大12基のZen 5系CPUコア、16基のRDNA 3.5 GPU演算ユニット、さらに55 TOPSのAI処理性能を誇るNPUを統合し、既存のAM5ソケットと高い互換性を持つとされている。
ブランド名は「Ryzen AI 9000G」になる可能性が指摘されており、従来のRyzen 8000Gシリーズを大幅に上回る構成となる見込み。専用GPU構成には劣るが、超小型筐体での高性能オールラウンダーとしてミニPC市場での需要拡大が期待される。ただし、現時点では公式な発表は行われておらず、詳細は年末の続報を待つ必要がある。
Ryzen AI 9000GはStrix Pointの真価を引き出すか モバイル版との比較から見る性能進化

AMDが2025年末に投入を検討しているとされる「Ryzen AI 9000G」は、ノートPC向けに成功を収めたStrix Point APUのシリコンをそのまま活用する。
モバイル向けRyzen AI 9 HX 370が最大12基のZen 5系CPUコアと16基のRDNA 3.5 GPU演算ユニット、さらに55 TOPSに達するNPUを備えるのに対し、デスクトップ版も同様の構成が想定されている。これにより、従来のPhoenixアーキテクチャを基盤としたRyzen 8000Gシリーズを大幅に上回る処理性能が期待される。
また、AM5ソケットへの対応が見込まれており、既存のマザーボード資産を活かせる設計となっている点も注目すべきである。ノートPC用チップに比べてクロック上昇の余地があるほか、冷却性能にも優れるデスクトップ環境では、APUの持つ潜在能力がより安定的に発揮される可能性がある。
一方で、Ryzen AI 9000Gが目指す市場は、ハイエンドゲーミングよりもむしろ高効率かつ省スペースな運用が求められる場面に向いていると見る向きもある。
超小型筐体と融合するStrix Point 専用GPU不要の高性能PCが主流となるか
Strix Pointが最もその能力を発揮する舞台として想定されているのが、Ayaneo Retro Mini PC AM01Sに代表される超小型筐体である。これらの製品は、スペースに制限がある用途においても、一定のグラフィックス処理能力とAI処理能力を確保できる点が特徴だ。
モバイル版Strix Pointでさえ、16基のGPU演算ユニットと55 TOPSのNPUを搭載しており、日常的なAI支援タスクや軽量な3D処理には十分対応可能とされている。
専用GPUを必要とせず、1チップ構成で完結する点はコスト効率にも直結する。特に、ノートPC向けAPUは一般にデスクトップ向けよりも価格が高くなる傾向があるため、Ryzen AI 9000GがミニPC市場にもたらす価格優位性は無視できない。
今後、AI支援を含む汎用処理能力が重視される場面が増えるにつれ、こうした高性能APU単体で構成される小型PCが一つの主流として定着する可能性もあるだろう。
クロック向上とAI処理性能の融合 Ryzen AI 9000Gが切り拓く新たな用途領域
Ryzen AI 9000Gが搭載するStrix Pointシリコンは、4基のフルサイズZen 5コアと8基の省電力Zen 5cコアを組み合わせたハイブリッド構成を採る。このCPU構成は、性能と効率を両立させる設計思想に基づいており、従来のデスクトップAPUとは一線を画する。また、NPUによるAI推論性能が55 TOPSに到達することで、従来はクラウド依存だった処理もローカルでの実行が可能になる場面が増えると見られる。
理論上では、デスクトップ向けは冷却面で有利なため、モバイル版よりもクロック上昇が期待される。これにより、NPUの性能発揮だけでなく、並列処理や負荷の高いアプリケーションにも対応可能となる可能性がある。
特に、画像生成や音声認識、インテリジェント検索などのAIアシストタスクがPC用途に組み込まれ始めた現在、Ryzen AI 9000GのようなAPUは汎用性の高い選択肢となり得る。従来のAPU像に変化をもたらす存在となるかもしれない。
Source:PC Gamer