Nvidiaの最新GPU「RTX 5090」において、通常より多い192基のROP(レンダリング出力ユニット)を搭載した個体が確認された。これは公式仕様の176基を大きく上回る数値であり、NvidiaのGB202シリコンが許容する最大構成に相当する。

Techpowerupによる検証では、クロック速度をFounders Edition相当に抑えても、同モデル比で平均8%の性能向上が認められた。さらに、出荷時設定のまま使用した場合、12%以上の高速化が生じるという。

これまで同シリーズではROP不足による性能低下が一部で報告されてきたが、今回は逆に性能過剰となる異例のケースである。Nvidia内部の製造・品質管理体制に対する疑念も生じており、前例のない事態として注目を集めている。

ROP数の異常な構成がもたらした実性能の差異

Techpowerupが確認したROG Astral RTX 5090 LCは、公式仕様を上回る192基のROPを搭載していた。これは通常のRTX 5090 Founders Editionが持つ176基よりも明確に多く、ハードウェア的にはGB202シリコンの上限に達している。この構成により、標準的なクロック設定下でも約8%の性能向上が認められ、さらに工場出荷時のオーバークロック設定では、最大で12%に達するスコア差が報告された。

ROP(Render Output Unit)は、フレームバッファへのピクセル出力を担当するユニットであり、その数が描画能力に直結するため、今回のようなユニット数の増加は明確な性能差をもたらす要因となる。

GPUのコア数やメモリ帯域幅が同一であっても、ROPの構成が異なれば、最終的なレンダリング処理の効率に大きな違いが生じ得る。これは設計上のバリエーションではなく、明らかに製造段階での構成ミスあるいは出荷選別の逸脱を意味している。

このような仕様外モデルの存在は、ユーザーにとっては意図せぬ性能的優位となり得る一方で、同一製品を購入した他ユーザーとの間に不公平感を生む可能性もある。製品の性能が個体差によって大きく異なるという事例は、今後の製品選定や評価にも影響を与えかねない。

相次ぐ仕様逸脱とNvidia製品品質への懸念

RTX 5090シリーズでは、過去に想定より少ないROP数で出荷された事例が複数確認されている。今回の件はそれとは逆に、想定以上のROP数を搭載した個体の出現であり、Nvidiaの出荷プロセスにおける品質管理の一貫性に疑問を呈する結果となった。

これまで同社のフラッグシップGPUにおいて、このような仕様逸脱は稀であり、RTX 5090で複数の例が報告されている現状は異例といえる。

仮に出荷時に正確なスペック検証が行われていれば、本来ならば選別から除外されるはずの個体である。それが複数市場に流通しているという事実は、歩留まり確保を優先した結果として、仕様外の構成が容認されている可能性を否定できない。エンドユーザーからすれば、期待されたスペックとの乖離が生じるリスクを伴う製品となることは看過できない事態である。

また、Nvidiaがこの事象に対して公式な声明や是正措置を講じていない点も懸念材料となっている。性能向上をもたらす幸運な例として片づけられるには、発生頻度と影響範囲が大きすぎる。過去の製品群では見られなかった傾向がRTX 5090世代で頻発していることから、今後の製品開発プロセスや出荷管理体制の信頼性が問われる局面に入ったといえる。

Source:OC3D