東京ガスとCCIが共同所有するTGナチュラル・リソーシズは、シェブロン傘下のChevron U.S.A. Inc.が保有するテキサス東部のガス資産の70%の権益を5億2,500万ドルで取得する契約を締結した。支払いのうち7,500万ドルは即時の現金支出、残りはヘインズビル開発の投資に充当される予定である。
この買収によりTGNRは、自社資産との業務重複による1億7,000万ドル超の相乗効果を見込むとされ、シェールガスの将来的なLNG輸出も視野に入れている。東京ガスはこの動きがトランプ政権のエネルギー政策とは無関係であると明言するが、結果として米国とのエネルギー連携強化に寄与する可能性もある。
エネルギー自給率の低い日本にとって、安定的な米国産ガス資源の確保は中長期的な経済安全保障の観点からも重要な一手と見なされる。
テキサス東部の資産取得がもたらす供給力強化と経済的相乗効果

TGナチュラル・リソーシズが取得したシェブロンのガス資産は、既存の鉱区との業務重複が大きく、開発効率の向上が期待されている。TGNRのCEOであるクレイグ・ジャーチョウ氏は、資産統合により1億7,000万ドル超の経済的相乗効果が見込めると明言しており、単なる保有比率の拡大にとどまらず、コスト削減と収益性向上の両面で具体的成果を追求している構図である。
支払額のうち7,500万ドルを即時の現金で拠出し、残る4億5,000万ドルを開発資本へ振り向ける戦略は、資産価値の最大化を意図した長期的視点に基づいている。現地でのシェールガス生産は当面、米国市場向けとなるが、将来的なLNG輸出への転換も含め、供給先の多様化と柔軟性を維持する姿勢が読み取れる。
今回の資産取得は、単なる海外投資ではなく、TGNRの事業基盤を米国南部に一層定着させる試みであり、東京ガスにとっても安定的な供給源確保という観点から戦略的意義は大きいと考えられる。
政治的影響を否定する東京ガスの姿勢と米国エネルギー政策との関係
東京ガスは本件買収がトランプ政権のガス輸出促進政策と無関係であると明確に否定しているが、結果として米国にとってのエネルギー同盟国との結びつきを強化する形となっている。特にトランプ政権下では米国内のシェール資源を積極的に国外へ売り出す方針が続いており、日本のように輸入依存度が極めて高い国に対する投資は、政治的にも好意的に受け止められる土壌がある。
東京ガス側は、今回の投資がトランプ政権以前から検討されていたと説明しており、長期的な事業戦略の一環として進められてきたものであることを強調している。しかしながら、米国エネルギー政策と合致する形での資源確保は、今後の日米関係において経済的のみならず外交的な波及効果を生む可能性もある。
一方で、資源ナショナリズムの高まりや国際市場の変動といった不確実性を考慮すれば、自国のエネルギー安全保障を民間主導で支える動きとして、この買収の意義は今後一層注目されることとなるだろう。
Source:Barchart.com