Google Pixelシリーズに搭載されている音楽認識機能「Now Playing(この曲なに?)」は、インターネット接続不要で周囲の音楽を自動識別する画期的な仕組みとして、2017年の導入以来注目を集めてきた。特にPixel 8までは高い精度で動作していたが、Pixel 9 Pro XLでの長期使用では、約3分の1の確率で認識に失敗するケースが報告されている。

新曲への対応力の弱さや、ポケットに入れた状態での精度低下も課題とされ、オフラインデータベースの更新遅れが背景にある可能性が指摘されている。Googleはこの不具合に対応中で、将来的なアップデートでの改善を予告しているが、現時点ではShazamの方が信頼性が高いという評価も根強い。

オフラインで音楽を認識するというPixelの強みと現実

「Now Playing(この曲なに?)」は、2017年からGoogle Pixelに搭載されている自動音楽認識機能である。特徴は、Shazamなどと異なりネット接続なしで利用できる点にあり、完全に端末内で処理されるため、プライバシー面でも安心感がある。Pixel 8まではこの強みが顕著で、近くで再生されている楽曲をかなりの精度で認識できていた。しかし、Pixel 9 Pro XLでの使用では安定性に陰りが見え、特に新曲や環境音が多い状況での認識精度が低下している。机の上に置いた状態では反応するのに、ポケットに入れただけで全く機能しない場面も少なくない。認識成功率は約3分の2にとどまり、期待を下回る結果が続いている。

オフライン処理という仕様は、地下鉄や屋外フェスなど通信が難しい状況では魅力的だが、データベースの更新が遅れると最新の楽曲には対応できないというジレンマもある。ネットに依存しない設計の利点が、かえって柔軟性を損なう結果になっているとも言える。技術的には洗練されているものの、日常の音楽認識体験においては「万能」とは言いがたいのが現状だ。

機能の完成度が実用性を左右する決定的要因

Pixelの「Now Playing」は理想的なコンセプトを持つが、日常使用においては“惜しい”という評価がつきまとう。実際、曲を聴き取ってくれることもあれば、認識されないままスルーされることもある。Tech Advisorの体験によれば、音楽が確かに流れているにもかかわらず何も表示されず、手動検索に切り替えても見つからず、最後はShazamに頼るという流れが頻発しているという。このような状況では、認識できなかったときのストレスがかえって強調されてしまう。

また、反応したとしてもそれが遅かったり、タイミングを逃すと曲が終わってしまうなど、スムーズさに欠ける場面も多い。手動検索ができる点は救いだが、ボタンを押す手間がある以上、それだけでShazamを使う場合と比べて明確な利便性があるとは言い切れない。現時点での使い勝手は、音楽の探知という目的に対して“あと一歩”届かない印象を与える。

Googleはこの問題を認識しており、「修正済み」としてフラグを立て、今後のアップデートで改善を行うと発表しているが、その内容や時期は不透明だ。技術自体は魅力的なだけに、安定性と認識精度の向上が、機能の評価を大きく左右する分水嶺となりそうだ。

Source:Tech Advisor