バークシャー・ハサウェイのウォーレン・バフェットは2024年第4四半期、ウルタ・ビューティSPDR S&P 500 ETF(SPY)バンガード S&P 500 ETF(VOO)の3銘柄から完全に撤退した。特にSPYとVOOは、かつて彼自身が推奨していた市場全体に連動するETFであり、その売却は注目を集めた。

2025年第1四半期のパフォーマンスは、市場全体の下落も要因としては大きいが、いずれも下落傾向を示し、ウルタは14.59%の下落、SPYは4.32%、VOOは4.38%のマイナスとなった。バフェットの売却は一見異例だが、結果的には下落局面を回避する格好となった。

一方、バークシャー本体の株価は同期に約20%上昇し、保有現金も過去最高の3,340億ドルに達している。市場の構造的リスクを察知した上での選択であった可能性が指摘される。

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バフェットが見切った3銘柄と第1四半期の明暗

2024年第4四半期にウォーレン・バフェットが完全に手放した3銘柄は、市場全体が下落する中ではあるものの、いずれも2025年第1四半期に入って下落を記録している。ウルタ・ビューティは14.59%の急落となり、同社の株価は366.54ドルまで落ち込んだ。SPDR S&P 500 ETF(SPY)は4.32%、バンガード S&P 500 ETF(VOO)は4.38%の下落と、S&P 500全体の軟調な推移を反映している。

バフェットが2019年第4四半期から保有していたSPYとVOOは、いずれも低コストかつ市場全体の成長に連動するインデックスETFとして知られるが、特定銘柄への過度な集中が構造的なリスクと化していた。事実、S&P 500の時価総額の約3分の1をわずか8社の大型テック株が占めており、分散の名のもとに実は極端な偏重が生じている状況がある。

その点を踏まえると、バフェットが持ち分を削減した判断は単なる短期的な売却ではなく、指数そのものの構成変化に対する慎重な対応であった可能性が高い。特に2025年初頭の市場は、金利不透明感やIT関連株の不振が重なり、指数全体が下押しされる展開となった。

ETFからの撤退が示す市場への含意

これまで長年にわたり、バフェットは一般投資家に対し「市場全体に連動する低コストETFへの長期投資」を推奨してきた。その彼がSPYとVOOを同時に手放したという事実は、単なるポートフォリオ調整を超えた戦略的なメッセージを含んでいると捉えられる。

S&P 500が依然として市場のベンチマークであることに疑いはないが、その構成の偏りは年々強まっている。主要8銘柄に過度なウェイトがかかる現状では、一部の企業の業績変動が全体指数を左右するリスクが高まっている。特に、半導体やクラウド関連のボラティリティが指数全体の安定性を損なう要因となりつつある。

また、バフェット率いるバークシャー・ハサウェイは2025年第1四半期に約20%の株価上昇を達成し、保有現金は過去最高の3,340億ドルに到達している。この動きは、キャッシュポジションを重視し、不確実性の高い局面での機動力確保を優先した結果とも解釈できる。インデックス偏重が逆にリスクとなる状況では、柔軟な資産運用が求められることを示唆している。

Source:FortuneFinbold