OpenAIのChatGPTが圧倒的なユーザー数で首位を維持する中、xAIの「Grok」や中国の「DeepSeek」など、競合チャットボットが急速に存在感を増している。Similarwebによれば、3月にGrokの1日あたり平均訪問数は1,650万件に達し、前月比で約800%の増加を記録。これにより、DeepSeekと並ぶ規模に成長した。一方で、DeepSeekは前月比25%の減少となり、Grokに主導権を奪われつつあるとの指摘もある。
加えて、ClaudeやGeminiといった他の主要AIチャットボットも、最新モデルや新機能の導入によりモバイルアプリの利用が拡大中。Sensor Towerによると、Claudeの「Sonnet 3.7」やGeminiの「2.0 Flash」発表直後にユーザー数が2~4割増加した。業界全体で新機能とモデル競争が加速しており、ChatGPT一強の構図にも変化の兆しが見え始めている。
GrokとDeepSeekが並ぶ日次訪問数 急成長と急減速が交錯するチャートに変化

Similarwebの最新データによれば、xAIが手がけるGrokの日次平均訪問数が3月に1,650万件を記録し、中国のDeepSeekと同水準に到達した。特筆すべきは、Grokのトラフィックが前月比でおよそ800%という驚異的な伸びを見せた点である。一方、1月に突如登場し第2位の座にあったDeepSeekは、2月からの比較で25%の減少を記録しており、その勢いに陰りが見える。
急成長を遂げたGrokは、Elon Muskの支援を受けるxAIの存在感拡大とリンクしている可能性が高い。新興勢力が短期間でこれほどのアクセスを集めた事例は極めて珍しく、市場における関心の高さと潜在的な影響力の大きさを示している。反対に、DeepSeekの失速は中国市場特有のトレンド変化、あるいは国内競合との力関係の変化を映し出していると見られる。
この対照的な動きは、生成AI市場が依然として過渡期にあることを示唆する。定着よりも話題性が優先される傾向も強く、ユーザー獲得競争の勝敗は日々変化する。Grokの急浮上が一過性の現象に終わるのか、それとも真の競合として根を下ろすのかは、今後数か月のユーザー動向と機能開発次第である。
モバイルアプリでも競争激化 新モデルと機能追加が牽引する成長
Sensor Towerの分析によると、GeminiとClaudeのモバイルアプリは、それぞれ新モデルの公開直後に顕著なユーザー数の増加を記録した。2月24日週にAnthropicが「Claude 3.7 Sonnet」をリリースした際、同アプリの週次アクティブユーザー数は前週比21%増加。また、その2週間前に「Gemini 2.0 Flash」を一般公開したGoogleも、同アプリで42%の急伸を見せている。
この背景には、単なるモデルの進化にとどまらず、ユーザー体験の質を向上させる新機能の導入がある。Googleが提供する「キャンバス」機能のように、コーディングプロジェクトの出力を視覚的にプレビューできるツールは、実務への応用可能性を広げる重要な一手である。Anthropicもまた、Claudeに多様なツールを段階的に実装しており、単なる対話型AIから業務支援型アシスタントへの転換を志向している。
このようなアプローチは、日常的な利用シーンにAIが組み込まれることでアプリの定着率が高まるという構図を生む。モデル性能だけでは差別化が難しくなる中、ユーザーの目的や課題に応じた機能提供こそが、次なる成長の鍵を握る。各社が機能の深度と広がりで競い合う段階に入りつつあり、市場の成熟に向けた布石が静かに打たれ始めている。
Source:TechCrunch