AIクラウド企業CoreWeaveの株価が、ナスダック市場での上場2日目に一時20%上昇し、引き下げられたIPO価格40ドルを上回った。初日はフラット、2日目は7%下落と不安定な滑り出しだったが、OpenAIとの約1.2兆円規模のクラウド契約や、同社に対するソフトバンク主導の4兆円調達報道が好感された。
Nvidiaが支援するこの注目銘柄は、2024年に売上高が前年比700%以上増の19.2億ドルに急伸した一方で、8億ドル超の赤字も開示。収益の62%をMicrosoftに依存する構造や、経済見通し悪化によるAIインフラ需要減速の懸念も根強い。
OpenAIの巨額調達には再編条件など不確実性が残るほか、Stargate構想への資金配分も明らかにされ、CoreWeaveの今後はAI需要の拡大継続にかかる。
OpenAIとの1.2兆円契約が支えるCoreWeaveの再浮上

CoreWeaveは2025年3月、OpenAIとの間で119億ドル(約1.2兆円)規模のクラウドインフラ契約を締結した。この大型案件は、上場直後の株価低迷からの急反発の背景として注目された。上場初日は終値がIPO価格40ドルに並び、2日目は7%の下落となったが、契約報道が追い風となり3日目には最大20%の反騰を記録した。
また、この契約はCoreWeaveにとってMicrosoftへの依存度を下げる契機とも見なされる。同社の2024年売上高19.2億ドルのうち、62%をMicrosoftが占める構造は、長期的な経営リスクと指摘されてきた。OpenAIとの関係深化により、収益構造の多様化と市場信認の獲得が進む可能性がある。
ただし、D.A. Davidsonのアナリストは、需要が爆発的に拡大し続ける限りという前提条件を付けて、AIクラウド戦略の持続性に懐疑的な見解を示している。巨額契約が成長の保証とは言い切れず、CoreWeaveの今後はAIインフラ市場の実需の推移に大きく左右されることになる。
ソフトバンク主導の4兆円調達とStargate構想がもたらす波紋
OpenAIは2025年4月1日、ソフトバンクが主導する投資家連合から400億ドル(約4兆円)の資金調達を完了したと発表した。この資金のうち180億ドルは、OpenAI・ソフトバンク・オラクルなどが協業する「Stargate」プロジェクトに充てられるとされ、今後5年間で5,000億ドル規模のAIデータセンター建設が計画されている。
この発表により、AIインフラ市場の巨大化に向けた資金が一挙に動き出した印象を与える一方で、資金提供には複数の条件が存在する。CNBCによれば、OpenAIが年内に営利法人へと再編しなければ、投資額は最大200億ドルまで減額される可能性がある。また、今回の資金は前半の100億ドルと年末までに予定される300億ドルに分けて支払われるとの報道もあり、資金の即時性には欠ける。
Stargateが巨大インフラを実現すれば、CoreWeaveのような既存プレーヤーは新たな競争軸にさらされることになる。インフラの過剰供給や価格競争激化のリスクも否定できず、現時点では同社にとって好材料とは言い切れない構図が見え隠れしている。
Source:investors business daily