ドナルド・トランプ氏による報復関税政策が4月2日より発動され、世界的な貿易摩擦が再燃する中、ビットコイン価格は短期的に3.44%の上昇を記録した。一方でS&P500をはじめとする米主要株価指数は下落傾向にあり、トランプ政権の関税戦略が金融市場全体に不安定さをもたらしている。

FRBの金利政策やインフレ見通しも絡み、今後のBTC価格は地政学的リスクと経済政策のはざまで大きく揺れる可能性がある。

報復関税とビットコインの相関性が浮き彫りに

ドナルド・トランプ氏の報復関税は、カナダやメキシコ、中国、EUといった主要貿易圏との摩擦を激化させ、株式市場に陰りをもたらした。S&P500は5営業日で2%超の下落を記録し、ナスダックやダウ平均も同様に売り圧力が強まっている。この状況下でビットコインは過去24時間で3.44%上昇し、85,186ドルを記録した。伝統的な金融資産に対する不安が高まるとき、非中央集権的資産としてのビットコインが再評価される構図が再び顕在化したといえる。

ただし、この上昇が持続的な流れを形成するかは定かではない。ビットコインは週単位では2.79%の下落を記録しており、短期的な変動性の高さが改めて際立った。トランプ政権が関税強化を推し進める一方で、報復関税が連鎖的に拡大すれば、従来の金融市場全体が深刻な調整局面に入る可能性も排除できない。こうした中で、ビットコインは投資家の「逃避先」として注目される一方、投機的側面が強く、市場の期待と警戒が交錯しているのが実情である。

金利政策とインフレ見通しがビットコインの長期的評価を左右

報復関税の波及により、物価上昇圧力が再燃する兆しが出てきた。米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ抑制と経済成長のバランスに苦慮しており、必要に応じて金利の引き下げも検討される可能性がある。低金利環境が進行すれば、通貨の価値に対する信頼が揺らぎ、結果として資産分散の手段としてビットコインを含む暗号資産への注目が高まることは否定できない。

一方で、現時点でのビットコイン価格は過去最高値から20%以上の下落を示しており、楽観視には警戒が必要である。メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領が4月3日に報復関税を発表予定であることを踏まえると、米国を中心とした経済・政治の緊張は当面続く見通しである。今後、インフレ指標やFRBの姿勢が市場に明確な方向性を与えるまでは、ビットコインも含めたリスク資産は神経質な値動きが続くと見られる。長期投資対象としての評価は、マクロ経済の動向次第で大きく左右されるだろう。

Source:CoinGape