中国の自動車大手BYDが2025年第一四半期に98万6,098台の乗用車を販売し、前年同期比で58%の大幅な成長を記録した。内訳では、純電気自動車(BEV)が41万6,388台に達し、前年比39%増となった。これにより、BYDはテスラの推定販売台数を上回り、2四半期連続でEV販売首位の座を維持した。
3月単月では37万1,419台を納車し、そのうち16万6,109台がBEVだった。テスラのQ1販売台数は約37万8,000台と見込まれ、前年比で2%の減少が予測されている。販売台数では好調を維持するBYDだが、4月1日の海外市場では株価が1.7%下落しており、期待先行による「材料出尽くし」の反応も見られる。
純電気車41万台超を支えたハイブリッド戦略と販売構成の巧妙さ

BYDは2025年第一四半期において、純電気自動車(BEV)を41万6,388台販売し、前年同期の30万114台から39%の成長を示した。一方で、同期間中の総販売台数は98万6,098台に達しており、その過半数はプラグインハイブリッド(PHEV)が占めている。特に3月には、単月で37万1,419台を販売し、そのうちBEVは16万6,109台に上った。これらの数字からは、BYDが完全電動化に向けつつも、段階的な移行戦略としてPHEVを戦略的に活用している姿勢が浮かび上がる。
BYDは単にEVシフトを急ぐのではなく、内燃機関と電動の併用により幅広い消費者層をカバーしている。特に電動車に不慣れな新興市場では、PHEVの柔軟性が購入判断を後押ししているとみられる。急激な変化に抵抗を感じる消費者にとって、PHEVは「過渡期の選択肢」としての役割を果たし、それが総販売数の底上げに貢献している。こうした二段構えの戦略は、単なる数量の拡大にとどまらず、グローバル市場での適応力を示すものといえる。
テスラを再び上回るも株価は下落 市場の織り込みと投資家心理のずれ
BYDはテスラの推定EV販売台数約37万8,000台を上回り、2四半期連続でEV世界販売首位の座を守った。テスラはモデルYのマイナーチェンジに伴う販売一時停滞や、欧米市場の減速、CEOイーロン・マスクの政治的発言が消費者心理に影響を与えたとみられる。これに対して、BYDは販売構成と地域展開で優位性を維持し、グローバル競争で一歩先を行く形となった。それにもかかわらず、4月1日の海外市場ではBYD株が1.7%下落し、予想に反して市場は冷ややかな反応を示した。
この株価下落は「材料出尽くし」とされる典型的なケースに該当する。年初から45%上昇していた同社株は、今回の好調な決算をすでに織り込んでいたとの見方が強い。市場が短期的な期待を先行させた結果、実績発表が株価の押し下げ材料となる逆説的な現象が起きた。販売実績と市場評価の乖離は、投資家が中長期的視点よりも瞬間的な値動きに反応しがちな現状を浮き彫りにしている。実体経済と市場評価のギャップは、成長企業にとって今後の課題となるだろう。
Source:moneycheck