Appleが準備を進めるとされるiPhone Foldは、既存のiPhoneやiPadを凌駕する“キラー製品”にはなり得ないとの見方が強まっている。折りたたみ機構の耐久性、防水性の不安、さらには価格の高さが、主力製品としての普及を阻む要因とされる。

教育現場や高齢者、アーティストなどに支持されているiPadの役割は明確であり、アクセシビリティへの配慮にも優れる。これに対し、iPhone FoldはMacBookにも置き換わらず、限定的な用途と富裕層をターゲットに据えた“高級路線”の製品となる可能性が高い。

Apple Vision Proと同様に、iPhone Foldもまた、革新性を持ちながら既存製品の立場を脅かす存在にはならず、Appleエコシステム内の“第四の選択肢”としての道を歩むことになりそうだ。

iPhone Foldの登場と耐久性に関する懸念

Appleが投入を見据えるiPhone Foldは、折りたたみ機構を備えるという点で従来のスマートフォンとは一線を画すが、その構造ゆえの耐久性への疑問が拭えない。特に、可動部であるヒンジ部分や可変ディスプレイの脆弱性は、日常使用におけるリスクをはらむ。著者は過去の実体験として、20mphの自転車走行中にiPhoneを落下させた例や、ノートパソコンを破損した事故を挙げ、折りたたみデバイスが過酷な使用環境に耐え得るかという点に不安を示している。

また、現行のiPhoneが備えるIP68の防塵・防水性能に比べ、Galaxy Fold 6やFlip 6のIP48では、水没や粉塵への耐性が劣ることも指摘されている。仮にAppleが同等の基準に留まる場合、水没による故障リスクは無視できない。AppleCare+の保証が水没損傷を完全にはカバーしない以上、価格帯に見合う耐久性を提供できなければ、プロダクト全体の評価を大きく左右しかねない。

こうした背景から、iPhone Foldはあくまで利用シーンを限定した「所有する悦び」を重視する製品となる可能性が高く、実用性や堅牢性を求める多数派にとっては選択肢になりにくい構図が見えてくる。

iPadやMacBookを代替し得ない構造的理由

iPhone Foldが今後投入されたとしても、Appleの既存デバイスのいずれかを駆逐する存在にはなり得ない。その理由の一つが、Appleが築いてきたデバイスごとの明確な機能分担にある。iPadは教育現場での教材閲覧や、シニア層のデジタル導入、アーティストによるクリエイティブ用途において高い支持を集めている。

特にApple Pencilとの親和性や、Procreateのような専用アプリケーションとの連携は、他の製品では代替が効かない体験を提供している。また、アクセシビリティ機能の充実は、障害を持つ利用者のニーズにも応えており、ヒンジなど可動部のあるiPhone Foldでは操作性の面で不利となる可能性が高い。

さらに、仮にiPad FoldやmacOS搭載iPad Proのような製品が登場しても、2,000ドルを超えるとされる価格は一般的なiPadユーザーにとって現実的な選択肢とは言い難い。結果として、iPhone Foldは高額な技術革新の象徴でありながら、日常的な道具としての汎用性には乏しい存在にとどまりやすい。

Apple製品の中での位置づけは、MacBookのような生産性特化型や、iPadのような直感的操作性をもつ製品とは明確に異なるものとなるだろう。

Source:AppleInsider