Alphabetが主催する年次カンファレンス「Google Cloud Next」が、4月9日に開催される。生成AIとクラウドインフラの進展が中心テーマとなり、Geminiモデルをはじめとする先端技術の発表が期待されている。AI市場は年率44%超で成長し、2030年には470億ドル超に達するとの予測もある中、同社がこの分野でどのような競争優位を打ち出すかが焦点となる。

同社は最近、クラウドセキュリティ企業Wizを約320億ドルで買収し、AIとセキュリティの融合による差別化を図っている。また、第4四半期の業績は売上・利益ともに2桁成長を記録し、PERやPEGレシオも安定していることから、アナリストの間では37%の株価上昇余地があるとの評価も出ている。

市場の関心が高まる中、このイベントがAlphabet株の下落傾向を反転させる契機となるか、注視されている。


Google Cloudが成長の屋台骨に変貌した背景

Alphabetの2024年第4四半期決算において、Google Cloudは前年同期比で30%増となる120億ドルの売上を記録し、同社の成長を牽引する存在としての地位を確立した。従来、主力収益源であった広告部門に比べ、クラウド事業は収益性の面で劣後していたが、生成AIの進展がその構図を一変させている。クラウド上でのAIアプリケーション展開が企業の競争力に直結する現代において、Google Cloudのスケーラブルなインフラは各業界から高い注目を集めている。

この状況を象徴する動きが、クラウドセキュリティ企業Wizの約320億ドルでの買収である。使いやすさとマルチクラウド対応を武器とするWizの統合は、Google Cloudのセキュリティ機能を飛躍的に強化し、企業顧客の信頼性確保に直結する。AI主導のビジネスが拡大するなか、セキュリティの堅牢性はサービスの選定基準としてますます重視されており、これは単なる買収ではなく、長期戦略の一環と見るべきである。

こうした動向から、Alphabetが広告主導型企業から、AIとクラウドを主軸に据えた多軸的成長モデルへと移行しつつある姿が浮き彫りになる。Google Cloud Nextにおける発表内容が、同社の中長期的な事業構造変革の進捗を測る上での重要な指標となるだろう。

アナリスト予測と投資家心理が交錯する株価の行方

Alphabetの株価は2025年初頭に入ってから17%の下落を記録したが、4月9日のGoogle Cloud Next開催を前に投資家の期待が再び高まっている。過去1年間での上昇率はわずか1.4%にとどまるものの、第4四半期決算における営業利益31%増、純利益28%増、EPS2.15ドルといった好調な財務指標が底堅い信頼を支えている。加えて、予想PERは17.54倍と業界平均の12.46倍を上回っており、割高感を持たれながらも成長性が評価されている状況である。

アナリストの間では、平均目標株価が216.54ドルとされており、現行価格から約37%の上昇余地があると見られている。また、550億ドルもの機関投資資金が直近四半期で流入し、発行済株式の約40%が機関投資家によって保有されているという事実は、マーケットからの期待の裏付けといえるだろう。ただし、役員によるインサイダー・バイが過去12ヶ月間確認されていない点は、経営層の警戒感や株価に対する一定の慎重姿勢を示唆している可能性もある。

競合のMicrosoftやOpenAIが若年層ユーザーを中心に存在感を高める中、Geminiモデルや量子コンピューティングへの注力がどこまで差別化を図れるかは依然として不透明だ。とはいえ、4月9日に示されるビジョンが、これまでの株価低迷に終止符を打つ転換点となるか否か、投資家はその一挙手一投足を注視している。

Source:Barchart