Galaxy S24のOne UI 7ベータ版に含まれるコードから、情報要約機能「Now Brief」が旧型機種でも導入される兆しが見えてきた。リーカーのMehmet KayaやThat Josh Guyが報告したコード断片には、同機能の詳細ページや対応アプリ一覧が含まれ、開発段階であることを示唆している。
一方で、サムスンの幹部は高性能AI機能の旧機種提供には慎重な姿勢を示しており、ハードウェア要件の違いが依然として課題として残る。特に、端末内処理を伴う機能は高性能チップ搭載端末に限定される見通しである。
それでも「Now Brief」は比較的ハード依存性が低い可能性があり、Galaxy Z Flip 6やFold 6といったフォルダブル端末でも同様のコードが確認されている。4月10日の正式リリースに向け、今後の展開が注目される。
Now Briefの存在を示すコード痕跡とその技術的背景

Mehmet KayaやThat Josh Guyといった複数のリーカーが、Galaxy S24のOne UI 7ベータ版にて未発表機能「Now Brief」の存在を裏付けるコードを発見した。Activity Launcher上での検索により、同機能の設定ページや関連アプリリストが表示されるとの報告が相次いでいる。
現段階ではユーザーによる利用は不可能であるが、UI要素と設定項目が存在していることから、開発がある程度進行していることは明らかである。この「Now Brief」は、情報の要約と表示を行うインターフェース機能と推定されており、スマートフォンの情報整理における新たなアプローチを示唆している。
特筆すべきは、同機能がGalaxy S24に限らず、Z Flip 6やFold 6といった次世代フォルダブル端末のOne UI 7ベータでも確認された点にある。複数端末への実装痕跡が見つかっていることから、Samsungが機能汎用性の確保を視野に入れている可能性も否定できない。
コードが存在するという事実は、機能がすでにある程度完成していることを意味するわけではない。ただし、OS全体の設計に組み込まれた段階である以上、将来的に正式発表される土台は整いつつあるといえる。こうした技術的裏付けは、Samsungのソフトウェア開発における準備段階を読み解くうえで極めて重要である。
ハードウェア要件が分岐点となるAI機能の今後
SamsungのFramework R&D部門上級副社長Sally氏は、One UI 7に含まれるすべてのAI機能が旧機種に提供されるわけではないと明言している。その理由として、端末内部でのAI処理にはSnapdragon 8 Gen 3や8s Gen 3、あるいは同等の性能を持つチップが求められるため、対応できる機種は自然と限定される。
具体的には、Personal Data Engineのような処理能力を要する機能が、旧型端末では動作しない可能性が高い。一方で、Now Briefに関してはハード依存性が比較的低い可能性が指摘されている。情報を集約し画面上に表示する機能であるならば、処理負荷は限定的であり、ソフトウェアレベルでの最適化によって旧端末にも対応可能な設計が成されている可能性がある。
この点が、One UI 7における他のAI機能とは異なる分水嶺となる。Samsungとしても、すべてのユーザーが最新のハイエンド機種を利用しているわけではない現実を踏まえ、主要機能の一部を旧型にも届けることで、エコシステム全体の価値を維持したいとする意図があると考えられる。
ハードとソフトのバランスが問われる中で、Now Briefのような軽量かつ普遍的な機能の行方が今後の焦点となる。
Source:Android Central