生成AIの急速な進化により、Alphabet傘下のGoogleが市場支配力を失うとの見方が浮上している。Melius ResearchのBen Reitzes氏は、ChatGPTやClaudeなど新興AIが次世代の「検索」を担うと指摘し、「Googleは次のKodakになる可能性がある」との懸念を示した。

Alphabetは2024年Q4に965億ドルの売上を記録し、検索やクラウド分野で好調を維持。一方で、AI競争においては「Gemini」の認知度やブランド力に課題があるとされ、OpenAIの収益モデルに追随できるか疑問視されている。

強力な財務基盤を持ちながらも、急拡大するAI市場における立ち位置が不透明であるため、同社株の将来性を巡る専門家の評価は分かれている。

「次のKodak」懸念が示すAI時代の構造転換リスク

Alphabetの検索ビジネスは、ChatGPTやClaude、Perplexityといった対話型AIの台頭により、既存の検索モデル自体が変容する局面を迎えている。Melius ResearchのBen Reitzes氏は、Googleが「次のKodak」となる可能性を提示し、検索主導の収益構造がAIトレンドに押し流される脆弱性を警告した。特に若年層のユーザーは「検索」より「AIによる回答」に親和性を示しており、これは検索市場における構造的シフトを示唆するものである。

このような変化は、Googleがこれまで築いてきた支配的地位が、技術革新そのものによって揺らぐことを意味する。Kodakがデジタルカメラ時代に対応できなかったように、Alphabetも生成AIへの最適化に遅れを取れば、同様の道を歩む可能性が排除できない。AIが検索の代替手段として普及すれば、広告収益モデルの根幹が揺らぎ、同社の長期的な成長ドライバーが変容を迫られるだろう。

ただし、現時点ではAlphabetの財務体質は堅固であり、検索の広告収益も依然として高い成長率を維持している。よって、短期的に業績が急落するとは言い切れないが、メガトレンドに対する対応の巧拙が今後の評価を大きく左右する局面にあることは間違いない。


Geminiの課題とOpenAIとのブランド力格差

Alphabetは自社のAI戦略として「Gemini」を前面に打ち出しているが、消費者の認知度や言語文化への浸透という観点では、OpenAIの「ChatGPT」に後れを取っている。Reitzes氏は、Googleという単語が動詞化されるほど普及している一方で、「Gemini」は生活の語彙に定着しておらず、ブランド構築において深刻な課題を抱えていると指摘している。このギャップは、AI時代における競争力の源泉が単なる技術ではなく、認知と利用習慣にあることを物語っている。

また、OpenAIが年間127億ドルというサブスクリプション収益を上げているのに対し、Alphabetの収益構造は広告に大きく依存している。仮に検索市場の中心がAIチャットに移行した場合、このサブスクリプション型モデルとの収益構造の違いが顕著な差となって現れる可能性がある。Alphabetがフリーキャッシュフローを活用しながら積極的に投資を行っているのは、この差を埋めるための布石とも言える。

ただし、Geminiの進化は今後のAI統合型検索の鍵を握る存在であり、検索体験と広告収益を維持しながらAIを融合させるという複雑な課題に取り組む試みとして注視されるべきである。現在は過渡期にあるものの、技術的完成度とユーザー体験が高まれば、一定の巻き返し余地も残されている。


Source:Barchart