インテルは「Intel Vision 2025」において、ディスクリート・グラフィックス事業への継続的な関与を改めて明示した。CEO体制の刷新とともに非中核事業の見直しを進める中でも、ARCシリーズGPUの開発とドライバー技術への投資は継続される見通しである。

2025年CESでの発言を踏襲する形で、同社は今後も専用GPU市場に注力する姿勢を崩していない。また、最新技術「XeSS 2」の導入によって、アップスケーリングやフレーム生成といった分野でもAMDやNvidiaとの機能的競争力を維持している。

統合グラフィックスの進化やAIワークロードへの対応を見据えると、GPUアーキテクチャへの投資は戦略的に不可欠とされる。専用GPU開発の中止は、インテルにとって中長期的な競争力の喪失に直結するとの判断が読み取れる。

ディスクリートGPUは依然として中核事業 インテルの構造改革下でも開発継続を表明

インテルは「Intel Vision 2025」において、ディスクリート・グラフィックス製品を自社の主要クライアント製品のひとつとして明確に位置づけた。これは、同社が非中核領域の売却を進める一方で、専用GPUの開発を事業の根幹に据え続けていることを示している。2025年のCESでの声明に続き、共同CEOであったミシェル・ジョンストン・ホルツハウス氏による「継続的投資」の言葉も、この姿勢を補強している。

加えて、同社が推進するARCシリーズGPUの進化と、ドライバーやソフトウェア技術の継続的改善も明言された。

とりわけ最新技術「XeSS 2」の導入は、ゲーム領域における画質向上や遅延低減を狙うものであり、AMDのFSRやNvidiaのDLSSといった既存技術との比較対象として存在感を放っている。インテルの取り組みは、単なるGPUの性能競争ではなく、統合的なグラフィックス体験の質的向上を重視する姿勢がうかがえる。

このような戦略は、単なる製品群の維持ではなく、グラフィックス分野における持続的なプレゼンス確保の意志を反映している。構造改革の波が及ぶ中でも、ディスクリートGPUという技術基盤が同社にとって不可欠な柱であることが、今回のイベントからも明らかとなった。

AI時代に不可欠なGPU基盤 グラフィックス投資がもたらす戦略的優位

現在の半導体市場では、GPUがAI処理において極めて重要な役割を担っている。インテルにとって、統合グラフィックスおよびディスクリートGPUへの継続的な投資は、AIワークロードに対応するための不可欠な条件である。GPUを介した並列処理性能は、CPU単体では補いきれない演算効率を実現し、特に生成AIやデータ分析の分野ではその重要性が急速に高まっている。

さらに、ARCシリーズをはじめとする専用GPUの開発が統合型グラフィックスの進化を後押ししてきた事実は見逃せない。専用GPU開発で得られた知見が、CPUに搭載される統合GPUにフィードバックされることで、インテルのプロセッサ製品全体の性能が底上げされてきた。つまり、専用GPUへの投資は単体市場のためだけではなく、同社全体の競争力維持に直結する。

一方で、競合であるAMDやNvidiaは、すでにAI最適化されたGPU製品群を市場に投入し、ソフトウェア面でも成熟した環境を築いている。インテルがディスクリートGPU市場にとどまる選択は、単なる事業継続ではなく、AI時代における戦略的劣後を避けるための構造的要請に基づくものである。市場動向を鑑みれば、この投資判断が今後の製品設計と企業価値に大きな影響を及ぼす可能性がある。

Source:OC3D