Microsoftは、Phone Linkアプリで発生していた機密通知のミラー表示が不可能となる問題に対し、アップデートによる対応を実施した。原因はAndroid 15が導入した新たなセキュリティ制限であり、同OSは二要素認証コードなどの高機密通知を通知リスナーAPI経由で遮断していた。

今回の修正により、Xiaomi 15 UltraやGalaxy S25 Ultraといった最新機種にプリインストールされている「Link to Windows」アプリが、ユーザーの明示的な許可を条件に、機密通知の内容に再びアクセス可能となった。ただしこの対応は、Androidが求める「コンパニオンロール」要件を満たす一部機種に限られ、すべてのユーザーに広く適用されるものではない。

セキュリティ強化と利便性の両立を図る今回の措置は、MicrosoftとGoogle間の技術的な綱引きを浮き彫りにしており、今後のOSアップデートによって再び制限が生じる可能性も否定できない。

Android 15がもたらした通知リスナーAPIの制限とMicrosoftの対応策

Android 15では通知リスナーAPIに対する制限が強化され、「RECEIVE_SENSITIVE_NOTIFICATIONS」の権限を持たないアプリに対し、二要素認証などの機密通知が非表示となる仕様が導入された。

これにより、Windows PCとAndroidスマートフォンを連携させるMicrosoftのPhone Linkアプリでは、当該通知の内容が「非表示」として扱われ、従来のような情報連携が不可能となっていた。この仕様変更はGoogle側のセキュリティ強化の一環とされており、不正アプリによる情報漏洩リスクを軽減する狙いがある。

Microsoftはこの制約への対処として、「Link to Windows」アプリがAndroid側で特別な「コンパニオンロール(companion role)」を持つことに注目し、プリインストール済みの端末に限り、ユーザーが手動で通知へのアクセス許可を与えられるようにした。

これにより、Xiaomi 15 UltraやGalaxy S25 Ultraなど一部の最新機種では、Phone Linkによる機密通知のミラー表示が部分的に復活した格好である。今後、より広範な機種への展開が可能となるかは、Googleの設計方針と各メーカーの対応次第であり、不透明な状況が続く。

特権的ロールの存在が示すAndroidエコシステムの分断構造

Android 15における「コンパニオンロール」の設計は、セキュリティの名の下に、特定アプリやメーカーに特権的な立場を与える構造を強調している。

今回、Link to Windowsが機密通知にアクセス可能となった背景には、このロールがプリインストールアプリに限定されているという仕様があり、ユーザーがPlayストアから同アプリをインストールしても、同様のアクセスは不可能である。つまり、通知連携の恩恵は特定端末に限られ、汎用性に欠ける構造となっている。

この状況は、オープン性を掲げるAndroidエコシステムにおいて、表向きの自由と裏腹に、Googleによる厳格な制御と選別が存在することを象徴している。

Microsoftにとっては、PCとモバイルの統合戦略を推進するうえで痛手となりかねず、今後の展開次第では、Androidへの依存度を下げる代替技術の模索に向かう可能性もある。他方、Googleとしてはセキュリティ担保を優先する姿勢を崩しておらず、このバランスをどう保つかが、次なるアップデートで問われることとなる。

Source:Android Headlines