2025年4月2日、ドナルド・トランプ大統領が米ホワイトハウスで発表した報復関税政策を受け、ビットコイン価格が約5,000ドル下落し、83,000ドル台まで急落した。関税の対象には主要貿易相手国も含まれており、市場はリスク回避に傾いた。
時間外取引では暗号通貨関連株が大幅に売られ、ビットコインを保有するストラテジー(旧マイクロストラテジー)は約7%、暗号取引所コインベースは6%、ロビンフッドは約9%の下落を記録。テクノロジー株中心のQQQも約4%の下落となった。
暗号資産やハイテク関連市場は、政治的決定による突発的な変動に依然として脆弱であることが露呈した。
ビットコイン急落の背景にある報復関税と市場反応の連鎖

2025年4月2日、ドナルド・トランプ大統領が発表した広範囲に及ぶ報復関税は、米国の主要貿易相手国を対象とするものであり、金融市場に瞬時の動揺をもたらした。特にリスク資産への影響が顕著で、発表前まで約88,000ドルで推移していたビットコインは、一気に83,000ドル台にまで値を崩した。これは約5.7%の下落にあたり、短時間での価格変動としては大きな部類に入る。
また、米株市場ではナスダック100に連動するETF「QQQ」が時間外取引で約4%の下落を見せたほか、暗号通貨関連企業にも売りが波及。ストラテジー(旧マイクロストラテジー)は7%、コインベース・グローバルは6%、ロビンフッドは9%と軒並み下落した。これらの企業はビットコイン価格の変動に対する感応度が高く、今回の関税発表により即座に影響を受けた。
こうした反応は、関税政策が通商問題にとどまらず、暗号通貨市場やハイテク分野全体に波及する力を持っていることを示す。特に暗号資産市場は、伝統的な経済指標や金融政策だけでなく、政権の政治的意思表示にも大きく影響される不安定な側面を内包していることが改めて浮き彫りとなった。
暗号資産の位置づけと政策リスクの高まり
今回の急落は、暗号資産が依然として「リスク資産」として市場に認識されている状況を端的に示した。価格の乱高下はその本質的なボラティリティに加え、地政学的要因や政権の政策発表によって強く左右される傾向にある。トランプ政権による報復関税の表明は、直接的な規制ではないにもかかわらず、ビットコインおよび関連銘柄の下落を誘発した。
また、企業の暗号資産保有体制もこうしたリスクの伝播経路となっている。ストラテジーは企業として大量のビットコインをバランスシートに計上しており、同社の株価は仮想通貨市場の変動を反映しやすい構造を持つ。コインベースやロビンフッドなども同様に、暗号通貨の取引高や市場の活況が業績に直結するため、今回のような価格下落局面では大きなダメージを受けやすい。
金融市場が高度に複雑化する中で、暗号資産の投資判断は通商政策や外交方針といったマクロ政治リスクの読み解きなしには成立し得なくなっている。特定のアクションが金融システムの枠を越えて、デジタル資産経済に波及する力を持っているという構造を、改めて意識する必要があるだろう。
Source:Investopedia