S&P500が年初来で5%超の下落を記録し、市場全体が調整局面に入る中、ウォーレン・バフェットの投資哲学が改めて注目を集めている。彼は「良質な株が割安になったときこそ買い時」と語り、株式投資を日常の買い物に例えることで、冷静な判断の重要性を説いている。

その哲学はバークシャー・ハサウェイの行動にも反映されており、現在は現金比率を高め、安易な買いには慎重な姿勢を見せている。また、個別銘柄に不安がある投資家に対しては、バンガード・バリューETF(VTV)のような分散型かつ割安株に特化した商品への投資を提案する声もある。

割安だからといって無差別に手を出すのではなく、「質の見極め」がすべての前提であるという考えが、混迷する市場での明確な指針となっている。

バフェットの「割安」哲学に潜む本質とは何か

ウォーレン・バフェットが投資において最も重視するのは、価格の下落そのものではなく、その裏にある「企業の質」である。彼が繰り返し口にする「靴下でも株でも、値下げされた良品が好きだ」という言葉は、価格が安いという事実だけでは十分でないことを示している。市場が下落局面にある今、すべての銘柄が魅力的に見える状況下でこそ、その選別眼が問われるのである。

2025年4月時点でS&P500は年初から5%超下落し、投資家の間では警戒感が広がっている。しかし、バークシャー・ハサウェイはこの局面で積極的に買い進めるのではなく、現金の保有を優先し、魅力的な買い場が限定的であるとの見解を示している。この行動は、「割安=買い時」という単純な等式を否定し、あくまで企業の本質的価値と価格のギャップに注目する姿勢を反映している。

下落局面における投資判断で鍵となるのは、価格の変動に惑わされることなく、財務体質や競争優位性、経営の質といった本質的なファクターを見極める力である。バフェットが語る「良質な企業が一時的に割安となったときにのみ投資すべき」という原則は、短期的な市場ノイズに左右されない、長期視点の投資行動を求めている。

分散投資としてのVTVが示す選択肢の幅

市場の不安定化が続く中、個別銘柄への集中投資を避けたい層にとって、バンガード・バリュー・インデックス・ファンドETF(VTV)は注目に値する選択肢である。このETFはS&P500構成銘柄のうち、相対的にバリュエーションが低い企業群に分散して投資するもので、現在は約340銘柄を保有し、分散性の高さが一つの特徴となっている。

特筆すべきは、その業種構成における安定性である。テクノロジー企業の比率がわずか8%にとどまり、代わりに金融(23%)、ヘルスケア(16%)、工業(15%)といったディフェンシブ性のあるセクターが多くを占めている。こうした構成は、景気変動の影響を受けにくいポートフォリオを形成し、下落相場における下値リスクを一定程度抑制する構造を持つ。

また、経費率が0.04%と極めて低く、分配金利回りは約2.2%と安定したインカムも期待できる。最大保有銘柄がバークシャー・ハサウェイB株である点も象徴的で、バフェットの投資哲学がETFの中核に位置しているといえるだろう。個別企業の選定に不安がある局面で、質を重視した分散型投資手法として、このETFが提供する戦略は一つの合理的判断となり得る。

Source:The Motley Fool