「Snipping Toolの文字認識」や「Phone LinkによるSMSコードの自動コピー」、「PowerToysの高度な貼り付け」など、Windows 11には多くの人が活用していない実用的な機能が数多く存在する。仮想デスクトップの即時切り替え、エクスプローラーのタブ操作、クリップボード履歴の管理など、生産性を高める操作もショートカット一つで実現可能だ。中にはWindows 10では使えない機能もあり、知らないままでは大きな差がつく可能性もある。知っているか否かが作業効率の明暗を分ける局面もあるだろう。

手元のスマホ不要 Phone Linkがもたらすコード入力の新常識

Androidユーザーにとって、SMS認証コードの扱いは大きく変わりつつある。Phone LinkをWindowsに設定すれば、届いたコードが通知としてPC画面に表示され、そのままクリックするだけで自動的にコピーされる。これにより、スマホを手に取る手間が完全に不要となり、作業中の集中力を保ったまま二段階認証を完了できる。

この機能は特に、Webサービスへの頻繁なログインや、業務で複数のアカウントを扱う場合に効果を発揮する。一方、iPhoneではAppleのシステム制限によりこの連携は不可能で、Windows側の機能にアクセスできない。Mac環境であれば似た挙動は実現できるが、WindowsとAndroidの組み合わせで得られる操作の軽快さは別格である。

すべての通知を許可するのではなく、SMSに限定して連携を構築することで、利便性とセキュリティの両立が可能になる。スマートフォンとPCの垣根を越えたこの連携は、作業のテンポを乱すことなく、かつ安全性を維持したまま情報を扱うことを可能にしている。

Snipping ToolにOCR搭載 画像から文字を瞬時に抽出

Windows 11に標準搭載されているSnipping Toolが、OCR(文字認識)機能を得たことで、スクリーンショット活用の幅が大きく広がった。画面をキャプチャした後、「テキスト操作」ボタンを使えば、画像内に含まれる文字をそのままテキストとしてコピー可能となる。例えば、エラーメッセージの再入力や、資料内の図版からの情報抜き出しが圧倒的にスムーズになる。

この機能はWindows 10では非対応であり、同様の作業を外部ソフトやWebツールに依存していたユーザーにとっては待望の進化といえる。特に技術的な資料やプログラムの出力結果など、正確な文字の転記が求められる場面で真価を発揮する。

日常的な利用シーンとしては、SNS上の投稿やグラフに埋め込まれた数値の抽出、さらには動画内で一時停止して得たテキストの再利用なども挙げられる。視認情報の取り扱いが一段と効率化されるこの機能は、PC作業の新たな基本ツールとなり得るだろう。

PowerToysのAdvanced Pasteが切り拓く貼り付けの自由

Microsoftの無料ツール「PowerToys」に含まれるAdvanced Paste機能は、コピーした内容をそのまま貼り付けるだけでなく、形式を変換して使える点が特徴である。Markdown形式やプレーンテキストへの変換が可能で、例えばWordで装飾された文章をWeb編集向けに整形した状態で挿入できる。ショートカットはWindows + Shift + Vとされ、通常の貼り付けとは異なるポップアップが表示される仕組みだ。

書式や余計なHTMLタグを排除し、純粋なテキストだけを保持したい場合にも便利で、メモ作成から開発用途まで幅広いシーンに対応する。クリップボードの中身を都度確認しながら出力形式を選べるという発想は、これまでの「コピー&ペースト」の常識を覆すものである。

ただし、この機能はPowerToysの導入とセットアップが前提となるため、一般的なWindows環境では見落とされがちである。設定次第では作業フローを大きく簡略化できるため、積極的に導入を検討する価値は十分にある。貼り付け操作一つとっても、細部の最適化によって作業効率に明確な差が生まれる場面は少なくない。

Source:Computerworld