Appleが2025年9月に発表予定とされるiPhone 17 Proシリーズでは、すべてのカメラが4800万画素となる可能性が浮上している。中でも注目は新しい望遠カメラで、従来の120mm相当から85mm相当に焦点距離を短縮。ポートレート撮影に適した仕様となる見込みだ。

これにより光学ズーム倍率は5倍から3.5倍に抑えられるものの、f/2.8より明るいレンズにより暗所性能の向上が期待される。加えて、160mm相当のロスレスデジタルズームや、4800万画素を活かした高精度なトリミングも可能となるとされる。

一連の改良は単なる解像度の強化にとどまらず、スマートフォンカメラにおける柔軟性と表現力の再定義につながる可能性がある。

3眼すべて4800万画素に統一 iPhoneカメラ構成の刷新が示す技術的進化

NotebookCheckの報道によれば、iPhone 17 ProおよびPro Maxでは、すべての背面カメラが4800万画素になる構成が導入される見通しである。従来モデルではメインと超広角は4800万画素だったが、望遠は1200万画素にとどまっていた。これが統一されることにより、写真や動画の一貫性が高まり、編集やAI補正の精度向上が期待される。

特に注目すべきは、望遠カメラに新しいセンサーと85mm相当のポートレートレンズが採用される可能性である。これにより光学ズームは5倍から3.5倍へと抑えられるが、その分、開放絞りがf/2.8より明るくなることで、暗所撮影性能が向上する。これは、室内や夕暮れといった日常の撮影シーンで有利に働く要素である。

また、センサーの高解像度化は、後処理によるトリミング耐性を高め、撮影者に対する構図の自由度を提供する。Appleがここまで撮像素子の統一に踏み切る背景には、撮影体験そのものを単なる「画素競争」から脱却させ、より自然な表現を追求する姿勢が読み取れる。

ポートレート専用設計か 焦点距離85mmの選択に見える意図

新望遠カメラが35mm換算で85mm相当の焦点距離を持つとされる点は、Appleの撮影体験に対する新たな設計思想を映している。85mmという数値は、一般的にポートレート撮影に理想的とされ、小型の一眼カメラやハイエンドスマートフォンにおいても採用例が多い。これは背景の自然なぼかしと被写体の立体感を両立させる距離として知られる。

Appleはこれまで、光学ズーム倍率の最大化に注力してきたが、今回はあえて倍率を抑える代わりに、より実用的で芸術性に優れた画角を選んだ可能性がある。望遠レンズの開放F値を明るくし、撮影条件の幅を広げる設計もその一環と見られる。ズーム性能よりも描写性能を重視するこの方向転換は、カメラとしての完成度を高める選択と言えるだろう。

加えて、160mm相当までのロスレスデジタルズームに対応するとの情報もある。これは、物理的な焦点距離を補うための補完的機能であり、メインカメラで2倍ズームを用いた際と同様の処理が望遠にも応用される可能性を示唆している。Appleの意図が単なるスペック向上にとどまらず、撮影用途に応じた最適化に向いていることは明らかである。

Source:NotebookCheck