GoogleはNotebookLMに「Discover sources」機能を追加し、ユーザーが関心のあるテーマに関連する情報源をウェブ上から直接取得できるようにした。これにより、既存のGoogle DocsやSlidesからのインポートに加え、情報収集の初動が飛躍的に効率化されることが期待される。

マインドマップ対応が導入されたばかりのNotebookLMにおける今回の機能拡張は、特に学術領域や調査業務に従事する層にとって注目に値する。最大10件の推薦情報源が提示され、内容の関連性まで説明される点が特徴である。

追加された情報は、従来どおりマインドマップ変換やFAQ生成、音声要約、チャット形式での問い合わせ機能といったNotebookLMの既存機能とも連携可能であり、情報処理全体の高速化と質の向上に寄与する構造となっている。

「Discover sources」ボタンの機能概要と具体的な操作手順

NotebookLMに新たに加わった「Discover sources」は、ユーザーが任意のトピックを入力することでGoogleが関連性の高い外部情報を収集し、最大10件までの推薦情報源として提示する仕組みである。従来の「Add sources」機能では、主にGoogle DocsやSlidesなど既存のドキュメントをインポートしてノートを構築していたが、今回の追加によってユーザーの手元にない情報までダイレクトに収集可能となった。

操作はシンプルで、「Add sources」横に表示される「Discover sources」ボタンをクリックすると、トピック入力欄が現れ、任意のキーワードを入力するだけで関連情報の収集が始まる。情報源はそれぞれに関連性の説明が添えられており、ユーザーは取捨選択しながらノートへ追加できる。また、何を検索すべきか決めかねている場合には、「I’m Feeling Curious」ボタンを用いることでランダムなテーマに基づく情報提案も可能である。

これらの新機能は、従来の構造化された情報の取り込みにとどまらず、ユーザーの発想段階からアウトプットまでの流れを一括して支援する意図が明確であり、調査・研究活動における情報収集の質とスピードに直接的な影響をもたらすものといえる。

情報取得から要約生成までを繋ぐNotebookLMの連携構造

NotebookLMは今回の新機能を単なる外部情報の検索機能にとどめず、取得したコンテンツを既存機能と統合的に活用できる設計としている。

具体的には、ノートに追加された外部情報は、Google Driveからインポートされた文書と同様に扱われ、「マインドマップ」「Briefing Docs(要約文書)」「FAQs(よくある質問)」「Audio Overviews(音声要約)」といった一連のアウトプット機能と連動する。これにより、単なる情報の蓄積に終わらず、即座に構造化と再編集が可能となる点が特徴である。

特に、視覚的に情報の構造を把握しやすいマインドマップ機能や、音声での要約出力は、情報理解のスタイルが多様化する現代において極めて有効な補助手段となりうる。加えて、NotebookLMはチャットインターフェースを通じて、ユーザーが情報源に基づく問いを直接投げかけることもでき、情報の表層だけでなく文脈や意図へのアクセスも支援する。

情報収集から要約・整理・再構築までを一つのプラットフォーム上で完結できるこの仕組みは、従来分断されていたリサーチの各工程を統合し、知的生産活動の一貫性とスピードの向上を促進する可能性を持つ。

調査業務における応用余地と今後の導入課題

NotebookLMに搭載された「Discover sources」は、学術研究にとどまらず、各種調査分析業務や戦略立案に携わる多様な職種にとっても有用性が見込まれる。特に、複数の視点から迅速に資料を収集し、それらを要約・構造化して思考を整理する必要がある場面においては、その機能の恩恵が顕著となる。

一方で、現時点では情報源の選定アルゴリズムの詳細が明かされておらず、出力されるソースの信頼性や偏りに関する検証が十分とはいえない。また、段階的に提供される仕様であることから、導入タイミングや利用可否がユーザーごとに異なる点も注意が必要である。加えて、既存の調査フローに新たなツールを組み込むには、社内でのトレーニングやリテラシー醸成が前提となる可能性もある。

それでもなお、GoogleがNotebookLMに対して連続的に機能拡張を進めている事実からは、同プロダクトが単なるAIノートツールではなく、情報戦略の中核的な役割を担う存在として進化しつつあることが読み取れる。

Source:Android Police