Samsungが2025年に投入予定の新型折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Flip FE」の詳細スペックが明らかになった。注目は、Z Flip 5と同等のデザインやカメラ構成を踏襲しながらも、SoCにSnapdragonではなくSamsung独自のExynos 2400eを採用している点だ。

メインディスプレイは6.7インチ、カバースクリーンは3.4インチで、リアカメラは1200万画素の広角と超広角の2眼構成、フロントは1000万画素。RAMは8GBと控えめながら、Z Flip 6の上位仕様と比較すれば価格抑制の意図が見て取れる。

Snapdragon不採用の理由とは Exynos 2400e採用の意味

Galaxy Z Flip FEにSnapdragon 8 Gen 2が搭載されない理由は、スペックの格下げではなく設計上の戦略とみられる。搭載されるExynos 2400eは、同じく廉価モデルとされるGalaxy S24 FEにも使われる予定のチップで、日常的なタスク処理や消費電力のバランスを重視している点が特徴だ。Snapdragon 8 Gen 2と比べてピーク性能では劣る可能性があるが、常用領域ではむしろ優れる場面もあると報じられている。

この選択により、SoC価格の抑制や発熱対策といった実利的な利点が得られる一方で、ゲームや動画編集など重負荷用途には若干の不安が残る。高性能が要求されるシーンではZ Flip 6やZ Foldシリーズとの差別化が明確になりそうだ。とはいえ、Exynosチップの最新世代は過去のイメージと異なり、進化を遂げているとの見方もあり、今後の実機レビュー次第では評価が覆る可能性も否定できない。

価格を抑えながらも日常利用に十分な性能を提供する、というバランスをGalaxy Z Flip FEが実現できれば、折りたたみスマホ市場の裾野を広げる存在となるかもしれない。

Z Flip 5とほぼ同じ仕様に見える意味

Z Flip FEのカメラやディスプレイ構成は、Z Flip 5とほぼ同等であることがわかっている。リアカメラは1200万画素の広角+超広角の2眼構成、フロントカメラは1000万画素で、RAMは8GB。メインディスプレイは6.7インチ、カバースクリーンは3.4インチと、2年前の仕様がそのまま引き継がれている印象だ。

一見すると目新しさに欠けるが、裏を返せば既存のZ Flip 5が評価されていた機能がそのまま再登場するとも言える。特にカバーディスプレイのサイズやカメラ画質は、一定の実用性と携帯性のバランスが取れており、ミドルクラスの折りたたみ機に求められる水準としては十分と考えられる。

とはいえ、上位モデルではRAMが12GB、メインカメラが5000万画素に強化されているだけに、スペック重視の層にとっては物足りなさを感じる可能性もある。その反面、価格帯が1,000ドル以下に設定されれば、必要十分な機能に絞った合理的な選択肢として注目を集める展開もあり得る。

発表時期と価格設定がもたらす期待と懸念

Galaxy Z Flip FEは、Z Flip 7やZ Fold 7と並んで2025年夏の正式発表が見込まれている。価格は1,000ドル未満と予測されており、800ドル程度での投入も噂されている。この水準が実現すれば、折りたたみスマホとしては異例の手頃さであり、多くのユーザーにとって初の「手が届く」折りたたみ端末となり得る。

しかしながら、現在のグローバルな製造コスト上昇や貿易環境の不安定さを考慮すれば、この価格設定がそのまま実現する保証はない。特に素材コストや為替の影響、米中摩擦による部品調達リスクなどが影を落とす可能性がある。

価格に敏感な層にとっては、数百ドルの差が購買決定に直結するだけに、サムスンがどこまでコストを削減しながら品質を維持できるかが鍵となる。コストダウンがスペック削減に直結しないよう、設計バランスが問われるタイミングとなるだろう。

Source:PhoneArena