Samsungは2025年4月7日より、Android 15をベースにしたカスタムUI「One UI 7」の安定版アップデートを世界同時に展開する。初回対象はGalaxy S24シリーズで、その後Galaxy S23シリーズやZ Fold/Flip、Tab S10などにも順次拡大する見通しだ。
新バージョンでは、ライブスコア通知を可能にする「Now Bar」や、時間帯に応じた情報提供を行う「Now Brief」などの新機能が追加。AIによるUI強化や通知機能の再設計も進み、ユーザー体験の刷新を図る構えだ。
一方で、S23シリーズにおけるベータ版の不具合や、アップデート方針に関する情報の錯綜も指摘されており、運用の安定性と透明性が問われている。
Android 15を基盤とするOne UI 7の主な特徴と対象機種の拡大戦略

Samsungが2025年4月7日より展開を開始するOne UI 7は、Android 15をベースに構築された新たなユーザーインターフェースである。Galaxy S24シリーズを皮切りに、Galaxy S23シリーズ、Z Fold 6やZ Flip 6、さらにGalaxy Tab S10シリーズなど、フラッグシップからミドルレンジまで幅広い端末への配信が予定されている。
リリーススケジュールは4月10日以降に順次拡大し、4月下旬にはS22シリーズやTab S9にも及ぶとされる。今回のアップデートでは、パフォーマンスと安定性の強化に加えて、Now BarやNow Briefといった生活密着型の新機能が追加された点が注目に値する。
Now Barでは、Googleとの連携によりライブスコアなどのリアルタイム情報がロック画面やAlways On Displayに反映される。一方、Now Briefは、朝昼晩の生活リズムに合わせて天気や交通などの情報を個別に提供する設計である。いずれもGalaxy S25シリーズで先行導入されたが、One UI 7によって対応機種が一気に拡大する。
このような展開は、Samsungがエコシステム全体の均質化を意図していることを示唆している。新機能を特定のハイエンド機種に限定せず、幅広い端末へ段階的に提供する戦略は、ユーザーの囲い込みとブランド体験の統一を促進する手段として極めて合理的といえる。
ベータ運用における混乱と安定版リリースに向けた信頼回復の課題
One UI 7のベータ版は2025年3月下旬にGalaxy S23シリーズ向けにBeta 2として配信されたが、その後、ホーム画面のクラッシュなど複数の不具合が報告された。これを受け、SamsungはS23シリーズに対しBeta 3の準備を進めているとされ、ベータモデレーターがインドのSamsung Membersアプリ上でその情報を明かしている。
ただし、同モデレーターは同時に「次のアップデートは安定版」とも言及しており、情報の食い違いがユーザーの混乱を招いている。この混乱は、ベータ運用における情報管理とフィードバック体制の課題を浮き彫りにした形である。
とりわけ、ベータユーザーの報告を踏まえてどのような対処を講じるのか、あるいはホットフィックスで対応するのかといった点において、Samsungの内部方針が共有されていないことが疑問視されている。ベータ版の性質上、一定の不具合は想定内であるものの、ユーザーとの信頼関係が揺らぐ局面では、明確な対応方針と時機を逃さない情報公開が不可欠である。
今後の安定版配信に向けて、S23シリーズを中心とした動向は特に注視される。これまでのような情報の不一致が続けば、ハイエンドユーザー層の離反を招く恐れも否定できず、アップデートの円滑な実施には正確性と一貫性のある対応が求められる。
Source:Sammy Fans