テスラは年初来で約35%、パランティアは直近高値から30%以上の下落を記録し、両社の過熱感はやや後退した。EV市場やAI分野で先導的な地位を築く両社だが、依然として高バリュエーションが評価の重荷となっている。
テスラは低価格EVの投入、FSDの展開、ロボタクシー事業など成長材料を多く抱える一方、業績鈍化と政治リスクが短期的な重石となっている。パランティアもAI事業の加速と商業部門の拡大に活路を見出すが、政府依存や利益の裏付けに不透明感が残る。
ウォール街では両社ともに「ホールド」の評価が支配的であり、下落を好機と見る声はあるものの、積極的な買いには慎重姿勢が強い。今が好機か否かは、将来の成長が現在の評価を正当化できるかにかかっている。
テスラ株の下落が映す業績懸念と事業の多面性

テスラは2024年に入り、株価が35%下落、52週高値からは46.3%の落ち込みを見せた。背景には納車台数の減少や価格競争の激化があり、第1四半期の出荷台数は市場予想を下回った。これにより、同社に対する過度な期待が修正され、PERは依然115.8倍と高水準ながらも、かつての過熱感からは距離を置く局面にある。
一方で、テスラは依然として多角的な成長戦略を推進している。2025年前半に予定される低価格EVの導入は販売台数回復への転機となり得るほか、完全自動運転(FSD)の国際展開、2026年までに予定されるヒューマノイドロボット「Optimus」の商用化、そしてエネルギー事業の拡大が収益多様化を促す。これらは市場の期待値を再構築する材料となる。
しかし、短期的な視点では政治的な発言や米国規制の変化に揺さぶられるイーロン・マスク氏の行動が、業績に与える影響は無視できない。株価が下がったとはいえ、依然として高評価に支えられており、本質的な成長とのバランスを見極める必要がある。
パランティアのAI戦略と政府依存リスクの交錯
パランティアはAI主導のデータ解析企業として注目されてきたが、株価は直近高値から30%以上下落しており、依然としてバリュエーション面では懸念が残る。特に政府契約からの収益構造に依存していることが不確実性を呼び、トランプ政権による国防費削減の提案は、同社にとって逆風と映る。
もっとも、パランティアは商業領域での展開を急速に進めており、AIプラットフォーム(AIP)の導入が民間企業との新たな収益源を形成しつつある。2025年には米国における商業売上が54%増の10億7900万ドルに到達すると見込まれており、政府依存からの脱却に向けた試みは明確だ。
とはいえ、PLTR株は売上高倍率69.3倍、予想PER260.1倍と、依然として業界平均を大きく上回る評価水準にあり、成長鈍化や契約不調の際に投資家心理を冷やすリスクが存在する。AI需要の追い風が続くとしても、現水準のバリュエーションを維持するには相応の業績裏付けが求められる局面である。
Source: Barchart.com