ソニーが新型フラッグシップ「Xperia 1 VII」を開発中とのリークが浮上した。昨年はシリーズの簡素化が進み、「Xperia 5」が終了し「1 VI」のみが発売されたが、その特徴だった4Kや21:9比率も廃止され、結果として売上は40%減少。今回は4K復活が報じられているものの、価格は1,399ドルと高額で、カメラ構成にも目新しさは薄い。加えて、ソフトウェア面や発売の遅さといった既存の課題が解消された様子もない。過去に独自路線で魅了したXperiaは、今や「また出るのか」と問われる立場に変わりつつある。
Xperia 1 VIIに見るスペックの進化と揺らぐ方針

Xperia 1 VIIは、前モデルで姿を消した4Kディスプレイを復活させるとされている。これまで21:9のアスペクト比や4K表示といった映像特化型の仕様がXperiaシリーズの象徴だったが、1 VIではそのアイデンティティを縮小し、解像度は1080p(396ppi)へとダウングレードされていた。VIIでは再び4Kが採用されるという情報があり、ソニーが従来ファンの期待に応えようとしている可能性がある。
ただし、この仕様復活に一貫性は見られず、なぜ4Kから離れ、また戻るのかという疑問は残る。実際、現代のスマートフォンではQHD(1440 x 3120)程度の解像度が現実的な落としどころとされる場面も多く、4Kは魅力である一方で過剰な側面も否めない。また、今回のモデルでは光学ズームに注目が集まっており、70-200mm相当(3.5倍〜8.3倍)の「連続ズーム式望遠カメラ」が搭載される見込みだ。これは仕様としてはユニークだが、実用性の面では固定ズームレンズに劣るという声も根強い。
スペックの刷新や復活は魅力的だが、方向性が定まらず、ユーザーを翻弄しているようにも映る。Xperiaが“尖った機種”として存在感を放ち続けるには、ただの復古調では足りない。
Xperiaが抱える根本的な課題と信頼性の揺らぎ
Xperiaシリーズが直面している最大の問題は、スペックやデザイン以前に「体験の完成度」にある。2019年以降、他にはない21:9画面比率や本格的なカメラUIといった強みを武器に独自路線を進んできたが、ユーザーインターフェースの不具合や近接センサーの誤作動、指紋認証の精度、Side Senseの操作性など、細かな部分での粗が目立ってきた。1,000ドル超という価格帯を考えると、そうした使い勝手の不安定さは致命的である。
加えて、ソフトウェアサポートの脆弱さも大きな懸念材料だ。現在主流となりつつある長期サポートとは逆行し、XperiaではOSアップデートが2回、セキュリティ更新が3年間という仕様にとどまっている。PixelシリーズやGalaxyのミッドレンジモデルですら7年間のサポートを提供している現状では、この水準では新規ユーザーの獲得も中古市場での維持も困難といえる。
仮にハードが魅力的でも、日々の使用における信頼感が伴わなければ、購入後の満足度は高まらない。ソニーが次に取るべき一手は、技術を積み上げることではなく、それを活かすための基盤を整えることにある。
過去のXperiaが放った輝きと、今問われるブランドの意味
かつて「Xperia Z」シリーズが市場を席巻した2010年代中盤、ソニーはスマートフォンの進化を牽引する存在だった。防水仕様、高解像度カメラ、斬新なデザインなど、数々の革新がそこにはあった。Xperia Playのような異色の試みにも、ブランドとしての野心と遊び心が詰まっていたことは確かだ。しかし今、その精神は徐々に薄れつつある。
Xperia 1 VIでは、象徴的だった要素が削ぎ落とされ、価格はそのままに「普通なスマホ」へと変貌。結果として、IDCの調査によればスマートフォン事業の売上は前年比で40%減少したという。今回の1 VIIが再び“Xperiaらしさ”を取り戻せるかは未知数だが、カメラ性能やディスプレイのスペックだけではもはや差別化にならない。
今後、ブランドが生き残るためには「なぜXperiaを選ぶのか」という問いに明確な答えが必要になる。思い出の中で輝いてきた名前を、再び現在形の価値として定着させるには、懐かしさではなく納得のいく体験が求められる時代に入っている。
Source:PhoneArena