vivoが間もなく発売するフラッグシップ「X200 Ultra」の望遠カメラが注目を集めている。新たに公開されたサンプル画像では、200MPセンサーを搭載した望遠レンズの実力が明らかになり、10倍の光学から30倍のデジタルズームまで鮮明さを保ったまま被写体を捉えている。
特に30倍ズームでも台湾の人気スター、シンディ・ワンの顔のディテールや質感が保たれており、計算写真技術とZeissの光学設計が組み合わさった進化の成果が伺える。絞りの大型化や手ブレ補正の向上、独自のプリズム技術など、撮影環境を問わず画質を支える仕様も随所に見られる。
Samsungなどの競合が倍率の高さを競う中、vivoは実用域での「質」を追求しており、今作がスマートフォンにおけるズーム撮影の基準を塗り替える可能性は高い。
200MP望遠と30倍ズームが示す圧倒的なディテール再現力

vivo X200 Ultraが搭載する200MPの望遠カメラは、既存のスマートフォンカメラの常識を覆す描写力を見せつけている。vivoのプロダクトマネージャー、韓博潇氏がWeiboで公開した画像では、10倍光学ズームにおいても被写体の質感や輪郭が明瞭に保たれており、さらに20倍のハイブリッドズームでも解像度の劣化が抑えられているのが確認できる。30倍デジタルズームの写真でも、台湾の有名スター、シンディ・ワンの表情や肌の質感が驚くほど自然に再現されている点は特筆に値する。
この結果は、200MPの超高解像度センサーだけでなく、ツァイスとの協業による光学設計、そしてvivo独自の画像処理技術が一体となっているからこそ可能になったものと考えられる。従来、デジタルズームは画質劣化の代名詞のように扱われてきたが、X200 Ultraではそのイメージを大きく塗り替える仕上がりを見せている。あくまでサンプル画像に過ぎないとはいえ、量産機でも同様のクオリティが維持されるのであれば、スマートフォンによる遠距離撮影の用途はさらに広がる可能性がある。
暗所性能と手ブレ補正の進化が支える実用性重視の設計
X200 Ultraの望遠カメラは、単なる解像度の高さだけでなく、実際の使用シーンにおける安定性や明瞭さも重視して設計されている。新たに採用された38%大型の絞りにより、従来よりも多くの光を取り込むことが可能となり、暗所や夕暮れ時の撮影でもノイズを抑えたクリアな写真を記録できるようになった。加えて、vivo独自の「Power Prism」技術により、望遠時にありがちな画面周辺部の歪みも軽減され、全体として自然な画角が得られる。
また、手ブレ補正性能が前モデル比で40%向上したことも見逃せない。高倍率ズーム時にはわずかな手の動きでもブレが目立ちやすいが、この強化により三脚を使用せずとも高精度な撮影が可能になる場面が増えるだろう。ハードウェア面の強化に加え、計算写真処理によって動体や遠景も正確に捉えることができる仕様は、ズーム撮影を“特殊用途”から“日常的な使い方”へと押し上げる要素となっている。数字だけを追わず、使いやすさと画質の両立を目指すvivoの方向性が明確に表れている。
数値よりも「写り」を追求したvivoのズーム哲学
vivo X200 Ultraは、競合メーカーがこぞって100倍ズームや月面撮影を謳う中で、あえて10倍から30倍の実用域にフォーカスしている点が印象的である。SamsungのGalaxy Ultraシリーズなどがスペック競争を加速させる一方で、vivoは「どの倍率で実際に使われるか」「そこできちんと写るか」という現実的なアプローチを採っている。特に10倍光学と20倍ハイブリッドの画質維持は、スマートフォンカメラのズーム領域において現時点でトップクラスの水準に達している。
このアプローチの裏には、写真を撮る人が望むのは“極端な数値”よりも“確かな写り”であるという思想が透けて見える。200MPの解像度やZeissの光学協力はその手段であり、真に目指しているのはあらゆるシーンで安定して撮れる体験だと言える。今後、vivoがさらなるチューニングを進めれば、スマートフォンカメラにおけるズーム撮影の基準がこのX200 Ultraを起点として再定義されていく可能性も否定できない。今作は、数値だけに頼らず“見て納得できる画質”を提示した点で、技術進化の一つの分岐点に立っている。
Source:Gizmochina