Microsoftは、Windows 11のタスクバーにおける新機能をInsider Preview Betaでテストしており、アイコンサイズが使用状況に応じて動的に変化する仕様が導入されている。具体的には、「常に」「しない」「タスクバーがいっぱいのとき」の3つの表示設定が追加され、特に後者を選択するとアプリの数が多くなってもアイコンが縮小され、すべてが表示可能になるという。これはmacOSのDockの挙動に似た設計であり、視認性と操作性の両立を狙ったものと見られる。
さらに、スタートメニューにも大画面レイアウトやアプリ一覧の全表示、不要な「おすすめ」非表示といった変更が加えられており、ユーザーごとの使い方に応じたカスタマイズ性が高まっている。
Windows 11のタスクバーに新設定 動的アイコン縮小で操作性を確保

最新のInsider Preview Betaでは、Windows 11のタスクバーに新たな表示オプションが追加されており、アプリを多く開いた際に自動でアイコンが縮小される機能が確認されている。このオプションは、「設定」>「タスクバーの動作」から選択可能で、「常に」「しない」「タスクバーがいっぱいのとき」という3つの動作条件に応じてアイコンサイズを制御できる。特に「タスクバーがいっぱいのとき」を選ぶことで、追加メニューに格納されがちなアプリがすべて表示されるようになるため、クリック数が減り、画面上の操作の流れが中断されにくくなる。
この機能は、macOSのDockがアイコン数に応じてサイズを調整する挙動と類似しており、複数アプリを同時に起動するユーザーにとっては、画面スペースの効率的な使い方を促す要素として注目される。アイコンの見やすさと数のバランスを取るこの設計は、画面サイズが限られるノートPCや小型デバイスでも特に効果を発揮する可能性がある。ただし、極端にアイコンが小さくなることで視認性が損なわれる懸念もあり、実際の使用感についてはユーザーの設定次第で最適化する必要がある。
スタートメニューの再設計がもたらすカスタマイズの柔軟性
Insiderビルドで明らかになったもう一つの変更点として、スタートメニューの大画面レイアウトとカスタマイズオプションの拡充が挙げられる。X(旧Twitter)でInsiderビルドを解析している「phantomofearth」によれば、「おすすめの最近使ったアプリ」を非表示にできる機能や、アプリ一覧を1ページにすべて表示する設定が可能になっている。これにより、不要な情報を排除し、自分の使いたいアプリに素早くアクセスできるよう設計されていることが分かる。
こうした仕様変更は、Windows 11におけるスタートメニューの役割を、単なるアプリ起動のハブから、より個別性の高い情報ナビゲーションツールへと進化させようとする意図がうかがえる。好みに応じて必要な情報のみを表示できる柔軟性は、日常的にPCを使う者にとって小さくない恩恵となる。ただし、あらかじめ設定を調整する必要がある点や、新しいUIへの適応にはある程度の慣れも必要とされるため、万人にすぐ馴染む変更とは言い切れない。
一時的な制限も存在 新バッテリーアイコンが非表示に
今回のInsiderビルドには、新機能の導入と同時に一時的な制限も含まれている。Microsoftは、1月に導入されたバッテリー残量ステータスアイコンについて、今回のアップデートにより一部ユーザーで表示されなくなる可能性があると注意喚起している。現時点ではこのアイコンの再提供が予定されているが、具体的な時期は明言されていない。
バッテリーアイコンは特にモバイル利用が多いユーザーにとって重要な情報源であり、表示されないことでバッテリー管理が煩雑になる恐れがある。ただし、これはあくまでInsider版での一時的な不具合とされており、正式版への影響は限定的であると考えられる。機能追加の過渡期にはこうした制約が生じやすいものの、最終的にはより安定した使用環境が提供される前段階とも言えるため、Insider利用者には慎重な対応が求められる。
Source:The Verge