Intelは、AndroidおよびiOSデバイスとWindows PCを連携させるアプリ「Intel Unison」の提供を2025年6月末で終了すると発表した。すでに段階的な終了が始まっており、Microsoft Storeや各種アプリストアにはサービス停止の通知が表示されている。

iOSにも対応する数少ないクロスプラットフォーム連携ツールとして重宝されてきたUnisonの終了は、モバイルとPC間のシームレスな接続環境を求める一部の利用者にとって大きな打撃となりそうだ。なお、Lenovo Auraのみ年末までの利用が可能とされている。

クロスプラットフォーム連携の要としてのIntel Unisonの役割と終焉

Intel Unisonは、AndroidとiOSの両方に対応し、スマートフォンとWindows PCの間でメッセージの確認やファイルの共有を可能にする連携アプリとして展開されてきた。その特徴は、AppleデバイスとWindowsの橋渡しを担う希少な存在であった点にある。MicrosoftのPhone LinkがAndroidに特化しているのに対し、UnisonはiPhoneユーザーにも手を差し伸べていたため、多くの利用者にとって代替の利かないツールとなっていた。

Neowinによれば、サービスは2025年6月末で終了し、すでにアプリ内通知やストア上での警告表示が始まっている。さらに、Windows Latestの報道では、アプリ内でも利用不可のアラートが表示されるようになったとのことで、段階的なシャットダウンが着実に進行していることがわかる。また、Lenovo Auraのみは例外的に年末までサービスが延長されるものの、一般利用者の多くは6月以降、Unisonに依存できなくなる。

事前の理由説明や代替案の提示が一切ない点も不安を招いており、突然の終了は多くのユーザーにとって寝耳に水の出来事となった。PCとスマートフォンの連携に日常的に頼る環境では、その影響は小さくない。

iOSユーザーに残された選択肢と連携環境の後退

Unisonの終了は、AndroidユーザーにとってはWindows 11標準のPhone Linkという移行先が用意されている一方で、iOSユーザーにとっては極めて深刻な問題である。Phone LinkはiOSに対応しておらず、Windows上でのiPhone連携は大きく制限される。これにより、PC上での通知確認やファイルの即時共有といった基本的な作業も、一手間多い手動の手順に戻る可能性が高い。

Appleが自社製品間で提供している連携機能、例えばAirDropやiMessageは高い完成度を誇るが、それらは当然ながらMacとの組み合わせが前提であり、Windows環境で同等の体験を得ることは難しい。そうした中でUnisonは、OSの壁を越えた利便性を提供していた稀有なアプリであっただけに、その終了が与える影響は限定的ではない。

現時点でIntelは後継アプリや代替ソリューションを示しておらず、今後もそうした発表が行われるかどうかは不透明である。今後、Quick Shareや他のマルチプラットフォームサービスに期待が寄せられるものの、それがUnisonのように両OSをフルカバーするかどうかは定かではない。スマートデバイスとPCのシームレスな統合を重視するユーザーにとって、この空白期間は痛手となる可能性がある。

Source:9to5Google