CPU-Zの2025年第1四半期バリデーション統計によれば、8コアCPUのシェアが前年比で32.6%増加し、構成比24.7%で最も普及している物理コア数となった。特にRyzen 7 9800X3Dが人気を集め、需要拡大の中心に位置している。

一方でCPUメーカー間の勢力図にも変化が生じ、AMDはインテルとの差を縮めながらシェアを43.7%まで伸ばし、1年で16.6ポイント上昇。GPU分野でもAMDが健闘し、NVIDIAのシェア低下と対照的に成長を見せた。

Ryzen 7 9800X3Dの影響力と8コアの最適バランス

2025年第1四半期のCPU-Zバリデーションデータでは、8コアCPUが物理コア数の中で最も多く選ばれており、全体の24.7%を占めた。その中核を担っているのがAMDのRyzen 7 9800X3Dであり、ゲーマーやクリエイターにとって求めやすい価格帯と高い処理性能を兼ね備えたモデルとして圧倒的な存在感を示している。このモデルの登場が、8コア構成への支持を一気に押し上げた要因の一つとみられる。

Ryzen 7 9800X3Dは3D V-Cacheを搭載し、高負荷なゲームやマルチタスク処理でも安定したパフォーマンスを発揮する。12コアや16コアといった多コア構成も存在する中で、なぜ8コアが突出して選ばれているのかという点には、価格、電力効率、汎用性の三要素のバランスが挙げられる。過剰なスペックを求めずとも快適な処理速度を確保できる点が、多くのユーザーにとって「ちょうどいい性能」として評価されている。

一方、4コア以下のCPUは著しい減少傾向にあり、2コアは9.6%、4コアも19.4%までシェアを落としている。性能要求の高まりが、ローエンド構成を選択肢から外しつつある状況を如実に示している。

AMDの台頭とIntelとのシェア逆転に向けた兆候

CPU市場ではIntelが56.3%のシェアで依然として過半数を保っているものの、AMDの追い上げは加速しており、43.7%にまで迫っている。この1年でAMDは16.6ポイントのシェアを伸ばし、対照的にIntelは10ポイントの減少という結果となった。特にRyzen 7000シリーズの拡充と価格性能比の高さが、Intelユーザーの一部を引き込む結果を生んでいる。

このようなシェアの変動は一過性のものではなく、パフォーマンスとコストのバランスを重視する層の増加による選択の変化が背景にあると考えられる。とりわけゲーミングや動画編集などの用途においては、Ryzenが提供するキャッシュ構造やマルチコア最適化が高評価を得ており、長期的な支持を集めやすい基盤ができつつある。

ただしIntelも革新を止めているわけではなく、新世代のCore UltraラインやAIアクセラレーションの搭載といった新技術で反撃の姿勢を見せている。とはいえ、現時点ではAMDが着実に勢いを増し、かつての固定的なブランド選好に揺らぎが生じているのは確かである。

ディスプレイ大型化の進行とユーザー環境の変化

CPUやGPUの性能向上に比例するかのように、モニターの大型化も明確なトレンドとして進行している。CPU-Zバリデーションのデータでは、27インチディスプレイの使用率が33.2%でトップとなり、長らく主流だった24インチ(32.7%)を上回った。さらに32インチが12.7%、34インチ以上が10.3%と、大型モニターの浸透が加速している。

この変化はゲーム体験や作業効率を重視するユーザーにとって、より広い視野と解像度の向上が必要とされてきた証左ともいえる。高リフレッシュレートやマルチウィンドウ環境に対応する大画面は、従来の標準サイズでは満足できない層にとって大きな魅力となっている。映像編集やデザイン業務では作業領域の広さが直接的な生産性に直結するため、32インチやウルトラワイド34インチ以上のモデルの需要が高まるのも自然な流れである。

とはいえ、画面サイズの大型化は設置スペースや消費電力、価格といった面でも検討を要する要素となる。手軽さとパフォーマンスの間でのバランスを見極めることが、今後の環境構築における鍵となるだろう。

Source:VideoCardz.com