2025年第1四半期のCPU-Z調査で、8コアCPUの採用率が6コアを上回り、初めて主流構成として浮上した。特にRyzen 7 9800X3Dは、単体で全体の4.3%に搭載されるなど突出した存在感を示し、旧世代のRyzen 5 3600Xの牙城を崩した。
これによりAMDはCPU分野でIntelとの差を大きく縮め、CPU-Z上ではシェア43.7%を獲得。Steam調査でも過去最高の37.62%に達した。Amazonの販売データでもRyzen 9800X3Dが圧倒的な販売数を記録しており、市場の評価と実売の双方で優位性を確立しつつある。
Nvidiaの支配が続くGPU市場でも、AMDはRX 9070シリーズの躍進によりシェアを拡大。モニター分野では27インチが新たな主流となり、PCパーツ市場全体に明確な世代交代の兆しが見え始めている。
Ryzen 9800X3Dが牽引した8コア普及 CPU市場の構造に変化

2025年第1四半期のCPU-Zによるテレメトリ結果では、8コアCPUが6コアを上回る構成比を初めて記録し、主流の座を奪取した。最も注目されたのはRyzen 7 9800X3Dであり、単体で全システムの4.3%に採用されるという驚異的な浸透率を示した。2019年に「最高のコスパ」と謳われたRyzen 5 3600Xの時代から、性能重視へとユーザーの嗜好が確実に転じている。
また、CPU全体のAMDシェアはCPU-Z上で43.7%に達し、Intelとの差は16.6%まで縮小した。さらに、Steamの2025年4月調査でもAMDは過去最高の37.62%という存在感を見せている。
GPUにおいても、AMDはRX 9070およびRX 9070 XTの販売好調により、Nvidiaとの差を着実に詰めつつある。全体として、Ryzen 9800X3Dの台頭は単なる製品の成功に留まらず、CPU市場の勢力図そのものを変える起点となっている。
ハイエンド志向と消費行動の変容 求められる価格帯の再定義
Ryzen 9800X3Dのような高性能8コアCPUが圧倒的な人気を博している背景には、従来の「価格対性能比」から「長期的価値と信頼性」へと消費者の評価軸が移行した点がある。
6コアCPUが市場を支配していたのは、コスト重視の合理性が求められていた時代であり、その象徴がRyzen 5 3600Xだった。しかし2024年以降、ゲームや動画編集など要求の高い用途の増加により、処理能力への期待が急速に高まった。
Amazonの販売動向でもこの傾向は鮮明で、Ryzen 9800X3Dはわずか1ヶ月で6,000台以上を売り上げ、次点製品の倍以上の実績を示した。価格帯が高くても、体感できる性能差と今後数年の使用に耐える堅牢性を評価する傾向が明らかである。今後はエントリークラスとされてきた価格帯の再定義が進み、企業も製品設計やマーケティング戦略の見直しを迫られることになるだろう。
Source:TechSpot