Samsungが次期Android 16をベースとした「One UI 8」を、Galaxy Z Fold 7およびZ Flip 7に初搭載する計画であることが報じられた。これらの端末は2025年7月にも発売される見通しで、同社は例年より大幅に早いOSアップデート展開を図っている。
前バージョンのOne UI 7は、GoogleのAndroid 15正式リリースから約6か月遅れての配信開始となり、混乱を招いた経緯がある。だが今回、Samsungは内部テストの加速や段階的アップデートの省略によって、巻き返しを狙う。もしこの報道が正しければ、SamsungはPixel以外で初めてAndroidの最新版を同時期に搭載・出荷するメーカーとなる可能性がある。
One UI 7で露呈したアップデートの遅延と混乱

Samsungが提供するAndroid 15ベースのOne UI 7は、Googleによる正式リリースから半年を経てようやく安定版の提供が始まるという異例の遅延を見せた。特にベータ版公開までの時間が長く、2024年12月まで着手されなかったことから、利用者の間では不満と混乱が広がった。
Galaxy S25シリーズでは早期に搭載されたものの、それ以外の既存端末ユーザーは長期間にわたり旧バージョンを使い続ける結果となった。こうした状況は、Samsungのアップデート管理体制に対する信頼を揺るがすものであり、Androidエコシステム内でも異質な足並みの乱れとして注目された。
OSレベルの刷新が利用者体験に直結するスマートフォン市場において、適時性は単なる利便性にとどまらず、ブランド価値や将来的な購入意欲にも大きな影響を及ぼす要素である。今回のOne UI 8でSamsungが早期展開を図ろうとする背景には、この苦い教訓が色濃く反映されている可能性がある。
Android 16対応端末をPixelに先駆けて投入する意義
報道によれば、Samsungは次世代折りたたみスマートフォンGalaxy Z Fold 7およびZ Flip 7を、Android 16ベースのOne UI 8を初期搭載した状態で出荷する見通しである。従来、Androidの新バージョンを最も早く搭載するのはGoogle Pixelシリーズであり、その優位性は開発者やコアユーザー層に強く訴求する要素となっていた。
Samsungがこれに先んじて市場に投入することは、単なる技術対応の早さを超えて、Android陣営内での影響力を再定義しようとする試みにも見える。また、報告によればOne UI 8は従来の「X.1」や「X.1.1」といった段階を省略し、いきなり「8.0」に移行する可能性があるという。
これは内部テストがすでに進行していることに加え、スムーズな展開を可能にする新たな開発体制の存在を示唆する動きである。GoogleがAndroid 16の最終ベータを4月中にリリースし、正式版を6〜7月に発表するとされる中で、Samsungがその波に乗る構えを見せることは、端末メーカーとしての競争戦略上も大きな意味を持つ。
特に、折りたたみ端末という成長領域において主導権を確保するための布石とも捉えられるだろう。
Source:9to5Google