ウォーレン・バフェットが率いるバークシャー・ハサウェイが保有する株式ポートフォリオの中から、The Motley Foolの寄稿者3名が今後20年間の保有に適した銘柄としてAmazon、Apple、Domino’s Pizzaを選出した。

AmazonはEコマースとクラウド市場での支配的地位を背景に、生成AI分野への投資拡大や物流改革により成長が見込まれる。AppleはiPhoneの安定的需要とサービス部門の拡大により、高収益体制を堅持し続けている。Domino’sは90カ国超に展開する巨大フランチャイズ網と31年連続の既存店売上成長という記録で、今後も堅実な収益が期待される。

いずれの銘柄もブランド力と競争優位性を兼ね備え、バフェットが重視する「経済的な堀」を体現する存在として、長期的視点での投資対象として注目されている。

Amazonが築く次世代成長基盤とその競争優位性

Amazonは2024年時点で、米国のEコマース市場において約40%という圧倒的なシェアを維持しており、物流改革と商品拡充によって、その地位をさらに強固なものにしている。特に、アルマーニ・ビューティやエスティ・ローダーといった高級ブランドの取り扱いは、顧客層の拡大とロイヤルティ向上に直結する。

また、流通網の再構築により配送効率とコストの最適化が進み、企業全体の利益率にも寄与する構造となっている。生成AIを活用したサービスの提供は、Amazon Web Services(AWS)における差別化の鍵である。カスタムモデル構築やBedrockをはじめとするAIツール群は、企業の業務支援や効率化ニーズを的確に捉えており、同部門は2024年第4四半期に前年比19%の成長を遂げた。

この成長の一因には、AWSが提供するAIインフラの拡張と、自社製チップ開発の進展がある。現在のPERは35倍と過去10年で最低水準に近く、長期的な視野に立った場合、投資妙味が高まっている。これらの動きは単なる戦術的な対応ではなく、Amazonが次の10年を見据えて構築する成長基盤の一部であると見られる。

Eコマースとクラウドという二本柱のさらなる進化と融合が進む中、同社はデジタル経済の中心に位置し続ける可能性を秘めている。

Appleが生む高収益モデルとブランド価値の持続性

Appleは、2024年度に3,950億ドルの売上高を記録し、その約半分をiPhoneが占めた。第4四半期には690億ドルを売り上げ、複数の地域で新記録を樹立したことは、製品力とブランド認知の高さを改めて証明するものである。同社は単なるハードウェア企業ではなく、サービス分野にも事業の重心を移しており、App Storeを通じたサブスクリプション収益が14%の成長を見せた。

サービス部門の売上は年間1,000億ドルに達し、高利益率が全体の収益構造を支えている。資本利益率(ROCE)が61%という数値は、Appleが投下資本をいかに効率的に利益に転換しているかを示す重要な指標であり、バフェットが同社に注目した理由の一つでもある。

高ROCEと強力なブランド力の組み合わせは、長期的な資産形成において非常に魅力的な要素といえる。さらに、製品の顧客満足度が高く、エコシステムとしての囲い込み効果が強いため、新たな競合の参入障壁は依然として高いままである。

iPhoneの定期的なモデルチェンジと、それに付随するサービス売上の安定成長は、Appleがテクノロジー分野における優良企業としての地位を維持する大きな要因となっている。成長と安定を両立させる同社のモデルは、今後も市場の信認を集め続けると考えられる。

Source:The Motley Fool