AMDの未発表GPU「Radeon RX 9070 GRE」がリークされ、12GBのVRAMと192ビットメモリバスを採用する構成であることが明らかとなった。これは、16GB VRAMと256ビットバスを持つRX 9070 XTと比較すると明確なスペックダウンとなる。

GREは「Great Radeon Edition」の略称で、中国市場をターゲットにした特別モデルとされ、かつての「Golden Rabbit Edition」の系譜に位置づけられる。報道によれば、すでに量産の準備が整っており、発売が近い段階にある可能性もある。

中国市場に特化したRX 9070 GREの仕様とその位置づけ

Radeon RX 9070 GREは、12GBのGDDR6メモリと192ビットのメモリバスを搭載する構成で登場する見込みだ。この仕様は、RX 9070 XTの16GB VRAMおよび256ビットバスと比べ、メモリ容量と帯域幅の両面で削減された形となる。情報の出所であるBenchlifeは、既に大量生産の準備が整っていると伝えており、計画段階ではなく製品化が目前に迫っている可能性がある。

このGREモデルは、かつてのGolden Rabbit Editionに続く中国市場向けの特別バリエーションとして開発されたもので、AMDが地域別ニーズに応じて仕様を変化させる方針の一環とみられる。VRAMの削減は価格面での調整や流通効率の最適化が目的とされるが、性能面ではハイエンド志向のユーザーにとってやや物足りなさを感じる可能性もある。

中国市場では、価格と性能のバランスに敏感なユーザー層が多く、そうしたニーズに対応する形でGREが設計されたと考えられる。ただし、メモリ帯域の狭さがゲームやクリエイティブ用途でどの程度影響を与えるかは、実機での検証を待つ必要がある。

RX 9070 XTとの違いがもたらす体感性能と選択基準の変化

RX 9070 GREは、メモリ容量とバス幅の点でRX 9070 XTに明確な差がある。この差は、4K解像度や高解像度テクスチャを多用するタイトルで、特にVRAMの使用量が逼迫しやすい場面に影響を及ぼす可能性がある。RX 9070 XTが16GBのVRAMと256ビットバスで広帯域かつ余裕ある設計なのに対し、GREはそのコストを抑えたバリエーションと位置づけられる。

ユーザーの立場から見ると、価格差が大きければGREは魅力的な選択肢になり得る。ただし、4K以上の解像度での快適なプレイや、長期的な運用を見据える場合には、VRAMが多いモデルの方が安全策となる場面も多い。特に今後のタイトルでは要求スペックが引き上げられる傾向にあるため、12GBという容量が足枷になる可能性は否定できない。

一方で、フルHD〜WQHD解像度を主とする環境や、予算を重視した構成ではGREの仕様でも十分に満足度は高いと考えられる。用途に応じて、どちらのカードが自分にとって最適かを見極める判断力が求められる時代になってきている。

Source:PC Guide