ビットコインは8万ドル超の高値圏で推移する中、株式市場全体の下落に対して相対的な安定を見せている。著名アナリストPlanB氏は、S&P500がトランプ氏の関税政策を巡る不透明感から回復すれば、ビットコインが10万ドルを超え、30万ドル到達の可能性もあると指摘した。

彼のストック・トゥ・フローモデルでは、過去の半減期と価格上昇の相関性が示されており、今回も同様の強気サイクルにあると見られる。現在の価格は8万1,558ドルで、テクニカル指標は短中期的な調整を示唆しつつも、依然として上昇余地を残している。

4月は歴史的にビットコインにとって強い月とされ、今後の市場展開は株式市場の動向とともに注視される局面に入った。

S&P500と連動するビットコインの強気シナリオとその論拠

PlanB氏は、2024年4月6日に投稿したYouTube動画において、ビットコイン価格の変動が主に外部的なマクロ経済要因、特にトランプ氏の関税政策に対する市場の反応に起因すると分析した。株式市場が政策不透明感から売られる中、S&P500が6000に回復すれば、ビットコインは10万ドル超え、さらには30万ドルに達する可能性もあると見解を示した。これは同氏のストック・トゥ・フローモデルによる中長期的価格予測とも整合する。

現在、ビットコインは81,558ドルで推移し、50日および200日の移動平均線を下回るなどテクニカルには弱含みのサインが出ている。一方、14日間のRSIは45.26と中立的であり、過熱感も割安感もない微妙な局面といえる。株式市場が関税関連の懸念を乗り越え回復基調に転じるかどうかが、今月の価格推移を大きく左右する鍵となる。

価格上昇の前提として、金融市場全体の回復が不可欠である点に着目すべきである。ビットコインが安全資産として機能する場面も増えているが、短期的にはリスク資産としての側面も根強い。S&P500との相関性を前提にした予測には一定の合理性があるものの、価格上昇は市場全体のセンチメントと連動して進行する点を忘れてはならない。

半減期後に浮上する「欲のフェーズ」とその歴史的根拠

PlanB氏は、ビットコインが現在「欲のフェーズ」に入っているとの見方を示している。これは、2013年、2017年、2021年の各半減期後に観測された価格急騰フェーズと類似しており、供給制限が需要に拍車をかける構造的背景に基づく。ストック・トゥ・フローモデルでは、2024年から2028年のサイクルにおける平均価格は50万ドル、レンジとして25万~100万ドルと広範な上昇余地を示している。

半減期によって新規供給量が抑制されることは、これまでのビットコイン相場において強気相場の起点となってきた歴史がある。特に今回のサイクルでは、マクロ経済の不確実性とインフレ懸念の高まりが重なり、供給制約が一層市場の注目を集めやすい状況にある。PlanB氏は、市場にはいまだ深刻な痛みは存在せず、多くの参加者が利益を得ていることを「健全な強気相場」と捉えている。

ただし、価格が30万ドルに到達するとの予測は、複数の条件が整う必要があるため、その実現性には慎重な見方も必要である。短期的な調整を経ながら、半減期後の需給構造変化がどのように市場に反映されるかを見極めることが重要だ。今後の市場動向を読む上では、モデルの指標のみならず、投資家心理や資本流入の動きにも注視すべき局面にある。

Source:Finbold