暗号資産XRPが2ドルの重要サポートゾーンで形成した三重底が、今後の価格展開における基盤として注目されている。テクニカルアナリストImmortalAXSは4月5日、短期的な価格動向において「押し目買い」の好機が現れている可能性を指摘。さらに、70.33%のトレーダーがロングポジションを取るなど、オンチェーンデータも強気姿勢を裏付けている。

2.48ドルのレジスタンス突破が現実となれば、3ドルや3.40ドルといった心理的節目への上昇も視野に入るが、1.79ドル割れが構造を否定する明確なシグナルとなる点にも警戒が必要である。長期的には強気だが、短期的な不安定さが依然として影を落としている。

2ドルの三重底と2.48ドルの壁が示す構造的転換点

XRPは現在、2ドルという重要なサポート水準で三重底を形成しながら、次なるレジスタンスである2.48ドルの突破を狙う展開にある。アナリストImmortalAXSの分析によれば、2ドルでの押し目買いが繰り返されていることが、投資家心理の強気転換を示す明確なサインとされる。このゾーンでの流動性吸収と直後の反発は、いわゆる「スワイプ・リクイディティ」と呼ばれる戦略の典型的な展開でもある。

一方で、過去に2度跳ね返された2.48ドルの水準は、短期的な価格上昇に対する明確な壁として機能している。この水準を超えた場合、テクニカル的にはレジスタンスがサポートへと転換し、上昇基調への流れが明確になると考えられる。今後、出来高の増加とともにこの価格帯を上抜けるか否かが、次なる展開を大きく左右する。

このように、2ドルと2.48ドルの価格帯は、単なる節目以上の意味を持ち、XRPの中期的な構造転換を占う試金石である。ただし、1.79ドルを終値で割り込んだ場合は、現在の強気構造が無効化され、下落トレンドへ移行するリスクが顕在化する点にも注意が必要となる。

ロング比率70%超の先物市場に映る投資家心理の変化

Binance先物におけるXRPのロングポジション比率が4月6日時点で70.33%に達しており、トレーダーの強気姿勢が鮮明となっている。このロング/ショート比率は2.37であり、ショートポジションの29.67%を大きく上回っている。特に、オンチェーンクリプトアナリストAli Martinez氏が共有したこのデータは、機関投資家や個人投資家のセンチメント変化を読み解く手がかりとなる。

この数値は、単なる楽観視ではなく、現行の価格構造に対する市場参加者の信認の高さを示していると考えられる。短期的な調整局面にありながらも、多くのトレーダーが中長期での価格反転を見込んでポジションを積み増している構図が浮き彫りとなる。背景には、2ドルのサポートラインが過去の反発局面と一致しやすい価格帯である点が挙げられる。

一方で、極端に偏ったポジションバランスは価格反転のトリガーとなるリスクも孕んでいる。ロングが過剰に積み上がった状況では、利益確定売りやショートカバーが加速すれば、一転してボラティリティの急拡大を招く可能性も排除できない。市場の期待が裏切られた際には、価格が急落するという過去の例にも警戒が必要である。

Source:Finbold