Appleが2026年に迎えるiPhone発売20周年に合わせ、大規模な製品刷新を計画していることが明らかとなった。ブルームバーグのマーク・ガーマン氏によれば、同社は初の折りたたみ式iPhoneに加え、ガラスを多用した「iPhone 19 Pro」の開発を進めているという。

この新デザインは、元チーフデザイナーであるジョナサン・アイブ氏が構想していた“ガラス一枚のようなiPhone”に近づくもので、iPhone X以来のデザイン哲学が再評価される動きとも取れる。超薄型の「iPhone 17 Air」の登場もこの流れの一環とされており、Proラインへの展開が注目される。

一方で、ガラス使用の増加は耐久性や修理コストの懸念も伴う。だがAppleにとって、革新性と美意識の追求がそれを上回る意味を持つと見る向きもある。

ジョナサン・アイブのビジョンが導くデザインの回帰

iPhone 19 Proの開発にあたり、Appleはジョナサン・アイブ氏が長年提唱してきた「一枚のガラスのようなiPhone」の具現化を志向している。iPhone Xでその輪郭が一度は示されたものの、近年のモデルでは実用性や機能重視の流れにより、厚みや外装の複雑化が進んでいた。しかし今回、Appleは再びミニマリズムと美的統一性を追求する原点に立ち返ろうとしている。

Mark Gurman氏の「Power On」によれば、この新たなProモデルでは筐体全体にわたりガラスを大胆に用いる設計が検討されているという。これは単なる素材の変更ではなく、製造技術・構造設計・ユーザー体験の全てに関わる革新であり、Appleにとっては象徴的な挑戦である。

耐久性や修理性に課題が残ることは想像に難くないが、それ以上に“触れて美しいデバイス”を提示するという意義が強く打ち出されている。Appleはハードウェアの刷新において、技術面の進歩よりも体験の再定義を重視する傾向がある。今回の動きもまた、スマートフォンという製品カテゴリにおいて視覚的・触覚的な価値を再び高みに引き上げる意図を持つ可能性がある。

折りたたみ式iPhoneとiPhone 17 Airに見る製品ラインの分岐

2026年に向けてAppleが準備しているとされる折りたたみ式iPhoneは、従来のラインアップにはなかった設計思想に基づいており、同社の製品戦略における明確な変化を示している。これまでAppleは、折りたたみ式デバイスに関して沈黙を守ってきたが、20周年という節目に合わせて満を持して市場投入を図る可能性がある。

加えて、2025年に登場予定の「iPhone 17 Air」も注目に値する。これは超薄型設計を特徴とし、Appleが今後、薄型軽量化を全モデルに波及させる布石と見られている。iPhone 19 Proが「視覚の革命」を担うならば、Airラインは「携帯性の極致」を体現する役割を担う可能性がある。

異なるアプローチの2モデルは、Appleのライン戦略が単一化から多様化へとシフトしている兆候とも受け取れる。折りたたみ型と超薄型、いずれも高い技術的ハードルが伴うが、Appleがこれらを同時に計画している事実は、単なるデザイン刷新ではなく、モバイル端末における次の時代の定義を見据えている証左といえるだろう。

各モデルがどう差別化され、ユーザーに何をもたらすのかが今後の焦点となる。

Source:9to5Mac