マイクロソフトは、生成AIを活用した「Copilot Search」をBingに正式導入し、すべてのユーザーが利用可能となったと発表した。GoogleのSearch Generative Experienceに類似するが、Bingでは専用の「Search」タブが設けられ、従来型の検索と生成AIによる回答を使い分けられる構成となっている。

検索結果には複数のウェブサイトからの要約と出典リンクが表示され、さらにフォローアップ質問や参照元一覧へのアクセスも可能。旅行予約や物体認識といった実用機能も備え、今後の検索体験を大きく変える可能性がある。

従来の情報取得スタイルと生成型AIとの融合が進む中、Microsoftが打ち出す検索の新たな形に注目が集まる。

専用タブがもたらすBing検索の変化とは

Bingの「Copilot Search」は、AIが生成する回答を表示する新たな検索体験を提供している。GoogleのSearch Generative Experience(SGE)と似た構造を持ちながらも、Bingでは専用の「Search」タブを設けることで、従来型の検索結果とAI生成の回答を明確に切り分けている点が特徴だ。このタブにはCopilotのアイコンが表示され、クリックすることでAIが複数のウェブサイトから情報を収集・整理し、自然言語による解答として提示する。

この仕組みにより、従来のリンクベースの情報一覧では得られなかった要約や洞察をワンクリックで得られるようになった。情報源の一覧を確認できる「See all links」機能も備えており、信頼性や出典のチェックも容易だ。ただし、この一元的な回答が常に網羅性と正確性を兼ね備えるとは限らず、複数視点を踏まえた情報リテラシーも今後はより重要となるだろう。

検索行為が「探す」から「答えを得る」方向に変化しつつある中、BingのCopilot Searchは新たな検索スタイルの入口となる可能性を持っている。

日常の行動と連動する新機能のポテンシャル

Copilot Searchは、単なる検索エンジンの強化にとどまらず、実用面でも活用の幅を広げている。たとえば旅行やレストランの予約、物体認識、Webサイトの閲覧支援など、検索という枠を超えた日常的なシーンへの対応が強化されている点が目を引く。さらに、カメラを通して物を認識したり、ポッドキャストホストのような対話形式での利用も可能であり、従来の「入力→検索→結果」という流れから脱却した体験が用意されている。

これらの機能は、検索エンジンに求められる役割が明確に変化してきていることを示している。今後は、ユーザーの意図や状況を先読みして行動を提案したり、単なる情報収集を超えて「意思決定の補助」として活用されるシーンが増えていくかもしれない。ただし、高度な体験を実現するには、ユーザーが各機能の挙動や仕組みを理解し、自身の使い方に合わせて取捨選択する姿勢も求められる。

検索という枠を超え、生活に自然と入り込むAIとしての進化が、Copilot Searchには見て取れる。

Source:TheWindowsClub