MicrosoftはWindows 11のスタートメニューを全面的に再設計し、最大で画面の約80%を占める大画面レイアウトを試験的に導入している。この変更により、固定アプリ、推奨項目、すべてのアプリが1ページに統合され、Phone Linkパネルの追加でさらに表示領域が拡大する仕様となった。
従来の約30%程度のサイズと比較して大幅な拡大となるが、不要なセクションは折りたたみや非表示設定が可能で、ユーザーによるカスタマイズ性は向上している。加えて、推奨項目を完全に非表示にできるオプションも初めて実装された。
スタートメニューが画面の8割を占有する新設計の実態

Windows 11の最新プレビュービルドでは、スタートメニューがデスクトップ画面の約80%を占めるレイアウトへと進化している。従来の約30%規模のメニューから大幅に拡大され、固定アプリ、推奨項目、「すべてのアプリ」を1ページに統合した構成が特徴だ。Phone Linkパネルを追加すれば、さらに表示領域が広がり、視覚的にはほぼ全画面に迫る印象を与える。
この再設計により、最大24個のアプリをスタート画面に固定可能となり、ユーザーの起動頻度に応じたアプリ整理が可能になった。一方で、表示倍率を125%に設定した場合でもレイアウトが非常に大きく見えるとの報告もあり、実際の操作性には好みが分かれる可能性がある。特にノートPCなどの小型ディスプレイでは圧迫感が強く感じられる場面も想定される。
事実として、Microsoftは新スタイルの導入と同時に「推奨項目」を完全非表示にできる設定を追加し、不要な情報表示を避けられるようになった。ただし、表示スペースの最適化という点では、現時点でのレイアウトはやや粗削りに見える。正式リリースに向けて、さらなるサイズ調整機能の拡充が求められる段階にあるといえる。
カスタマイズ性向上とその限界が見えた再設計の方向性
今回の再設計では、スタートメニュー内の各セクションを折りたたむオプションが強化されており、表示内容のコントロールが従来よりも柔軟になっている。「推奨項目」セクションの非表示化や、Phone LinkパネルのON/OFFトグルの導入は、操作環境に応じてスタートメニューを最適化したいユーザーにとって歓迎すべき機能である。
一方で、「固定されたアプリ」や「すべてのアプリ」セクションについては、表示領域そのものを縮小または限定表示にする手段はまだ用意されていない。例えば、「すべてのアプリ」だけを全画面で表示したい、または「固定アプリ」一覧を最小化したいという要望に応える仕様は未実装である。ユーザーごとに異なる利用スタイルに寄り添うには、さらなる設定オプションの追加が不可欠と考えられる。
また、アルファベット順のカテゴリレイアウトでは、アプリ数が少ない文字の項目において横方向のスペースが無駄に広く空くケースが見られる。これらはベータビルド特有の調整段階とされるが、現時点では実用性よりも実験的な要素が強い構成に映る。視認性と操作性のバランスを取るには、今後より細かなレイアウト制御の実装が必要となるだろう。
Source:Windows Latest