Samsungは、Galaxy Z Fold Special Editionに対し、Android 15をベースとしたOne UI 7.0の安定版アップデートを韓国国内限定で配信開始した。ファームウェアバージョンは「F958NKSU2BYCK」で、容量は約5GB、2025年4月のセキュリティパッチも含まれている。
同端末はGalaxy Z Fold 6とハード面でほぼ共通だが、薄型化と200MPカメラが特徴。そのためUI機能もFold 6と同等と見られ、通知とクイックパネルの分離表示やカスタマイズ性の向上、Galaxy AIによる音声書き起こし、片手操作に最適化されたカメラUIなど、幅広い改善が実装されている。
ウィジェット機能の刷新も進み、ホーム・ロック画面双方での柔軟なレイアウトやデザイン変更が可能に。Samsungはこのアップデートを通じ、ユーザーインターフェースと日常の操作性向上を強く意識している。
Android 15を採用したOne UI 7.0の新機能とGalaxy Z Fold Special Editionへの最適化

今回、Samsungが韓国国内限定で配信を開始したOne UI 7.0は、Android 15をベースとした大規模な機能刷新である。通知とクイックパネルのUI分離を筆頭に、丸みを帯びたピル型デザインの採用や、より柔軟なカスタマイズ性が特徴だ。音量スライダーの追加、Galaxy AIによる通話内容の自動書き起こしなど、利便性と操作性の向上を意図した改善が随所に見られる。
Galaxy Z Fold Special Editionは、Galaxy Z Fold 6とハードウェア面では大部分が共通しているが、筐体の薄型化と200MPカメラの搭載により、差別化された存在となっている。今回のアップデートは、こうしたハード仕様を踏まえつつも、Fold 6と同等のソフトウェア機能が実装されていることから、Samsungが両機種をほぼ同格のフラッグシップモデルと位置づけていることが読み取れる。
Android 15の実装により、システム全体のパフォーマンス向上や電力最適化も期待される一方で、Z Foldシリーズのようなフォルダブル端末特有の使い勝手との整合性が問われる。One UI 7.0は、この課題に対して多くのインターフェース改良をもって応じており、折りたたみ型端末におけるAndroidの進化系と見ることができる。
ウィジェット刷新とAI連携が示すSamsungのユーザー体験重視の姿勢
One UI 7.0では、ウィジェット機能に大幅なアップデートが加えられている。ホーム画面とロック画面に配置可能なウィジェット数の増加に加え、背景や色、透明度、形状の選択肢が拡充された。さらに、ロック画面の時計ウィジェットについてはカスタマイズ性が飛躍的に向上し、画面全体のレイアウト自由度が大きく広がった。
こうした変更は、ユーザーの嗜好や使用習慣に合わせた柔軟なUI構築を意図している。加えて注目すべきは、Galaxy AIの機能強化である。音声通話の書き起こし機能は、日常の記録や業務連携を支援する実用性の高い機能であり、AIをUIの一部に自然に融合させた例といえる。
これにより、スマートフォンが単なる通信機器を超え、知的アシスタントとしての役割を強めていることが明確になった。Samsungはこれまでもユーザー中心設計を掲げてきたが、今回のアップデートはその理念の具体的な成果であると考えられる。
デザインの統一感と実用性の両立、そして高度なAI技術との融合を通じて、単なるOS更新に留まらない“体験の質”の向上を目指す姿勢が色濃く表れている。
Source:SamMobile