Windows 11において、Microsoftがスタートメニューの大幅な再設計を水面下で検討していることが明らかになった。著名リーカーのPhantomOfEarth氏が公開した画像では、「Phone Link」アプリとの連携によってスタートメニュー右側に専用パネルが表示され、デスクトップ全体の約75%を占めるレイアウトが確認されている。

このパネルはワンクリックで非表示に切り替え可能だが、それでもスタートメニュー本体は従来より大型化しており、一部にはWindows 8の全画面表示を彷彿とさせる印象を与えている。現段階では正式なテスト段階には至っておらず、プレビュー版内部に隠された設計コードに過ぎないが、今後のUI方針を占う上で注目すべき動きといえる。

スタートメニューがデスクトップの大部分を覆う構成に Phone Link連携パネルの影響とは

今回明らかになったスタートメニュー再設計案では、Microsoftの「Phone Link」アプリと連携することで、スタートメニュー右側に新たな情報パネルが表示される。この構成により、画面全体の約75%がメニューによって占有されるレイアウトが確認されており、視覚的なインパクトはかなり大きい。Phone Linkパネルは、スマートフォンの通知やメッセージ、アプリ使用状況などを表示するもので、Android端末とWindows 11の連携性を高める目的がある。

ただし、この新レイアウトはまだ正式なテスト段階には入っておらず、プレビュー版のコード内に隠された状態で存在するに過ぎない。表示の切り替えは可能で、専用ボタンでパネルを非表示にすることで、スタートメニューの幅も縮小される設計となっているが、従来よりもなお広めのままであることは変わらない。

機能としての有用性は認められるが、日常的な作業中に突然画面の大半を覆う構成が有効化されることに対して、ユーザーによっては違和感を覚える可能性もある。特に常時表示に近い形で固定されると、マルチタスク操作への影響も無視できない。

Windows 8の記憶を呼び起こす全画面スタイル だが今回の狙いは“強制”ではない

このスタートメニューの新構成に対し、一部のユーザーからはWindows 8時代の全画面スタートを想起する声が出る可能性がある。あの当時、多くのユーザーがフルスクリーンのスタート画面に戸惑い、結果的にMicrosoftは次世代で従来型のメニュー構成へと大きく方向転換を強いられた経緯がある。今回の「75%占有」も、それと似た印象を与えかねないが、根本的に異なるのは操作性の柔軟さにある。

Phone Linkパネルは表示を任意で切り替え可能であり、連携機能そのものも強制ではなくオプションに留まっている。これは、全画面が一律に適用されていたWindows 8とは明確に異なり、利用者が必要に応じて機能を活用できる方向で設計されているという点で、むしろ歓迎すべき進化ともいえる。

また、現時点では一般ユーザー向けの正式な導入ではなく、あくまで非公開のコード上の試みという立場にある。これらの調整が正式なフィードバックを経て、より洗練された形で実装されるなら、スタートメニューの柔軟性とパーソナライズ性を飛躍的に高める試みと評価できるだろう。

Source:TechRadar