ノートパソコンのバッテリーが思いのほか早く減る原因が、意外なアプリに潜んでいる可能性がある。Windows 11では、「設定」アプリと「タスクマネージャー」を活用することで、最も電力を消費しているアプリを手軽に洗い出すことが可能だ。

具体的には、「電源とバッテリー」設定から使用履歴を可視化し、過去24時間や7日間の傾向をチェックできる。また、タスクマネージャーでは「電力使用量」と「電力使用量の傾向」という指標で、リアルタイムと平均的な消費状況を併せて把握できる点もポイントである。

さらに、不要アプリの削除、省エネモードの導入、バックグラウンド処理の制限など、消耗を抑える具体策も紹介されており、日常的な使用環境を見直すうえで有用なヒントが多数含まれている。

「設定」アプリとタスクマネージャーで可視化されるバッテリー使用量の実態

Windows 11では、アプリごとのバッテリー使用状況を確認する手段として、「設定」アプリと「タスクマネージャー」が用意されている。「設定」では「電源とバッテリー」内の「バッテリー使用量」画面から、過去24時間または7日間にわたる使用状況を確認可能で、全体の使用量順にアプリを並べ替えることで、どのソフトが電力消費の中心になっているかが明確になる。特定の時間帯を選んで詳細を掘り下げられる点も特徴である。

一方の「タスクマネージャー」では、リアルタイムの電力使用を示す「電力使用量」と、過去の使用傾向を示す「電力使用量の傾向」の2指標を活用することで、瞬間的な高負荷と継続的な消費を見分けることができる。これにより、一時的な負荷の高いアプリと、長時間にわたり電力を浪費している常駐型アプリとを切り分けやすくなる。

これらの手法は、ユーザーが見落としがちなバックグラウンド処理の影響や、アップデートにより変化したアプリの動作状況を発見する助けにもなる。バッテリーの消耗がバッテリーそのものの劣化ではなく、ソフトウェア由来の問題であることがある以上、こうした可視化の手段は極めて実用的であると言える。

省エネの鍵は「使っていない機能」にある可能性

Windows 11には、バッテリー持続時間の最適化を図るための機能が多数用意されており、その中には「省エネモード」や「電源モードの変更」、「エネルギー推奨事項の適用」などが含まれている。特に「省エネモード」は、バックグラウンド同期やアニメーション効果、システムの視覚効果などを自動で制限し、消費電力を抑える仕組みとなっている。また、電源モードを「最も電力効率が良い」に設定することで、画面の明るさやプロセッサーのパフォーマンスを調整し、長時間使用に適した環境を整えることができる。

実際には、こうした設定の多くが初期状態では無効であることが多く、自分で積極的に有効化する必要がある。中でも「エネルギー推奨事項」では、Windowsが自動で検出した最適化ポイントに対して「すべて適用」する選択肢が用意されており、複数の改善策を一括で実行できる点が利点である。

使っていないアプリが裏で処理を続けていたり、既に必要のない通知機能が動き続けていたりと、バッテリー消費の原因は見えないところに潜みがちである。不要なものを見直し、積極的に制限をかけるという姿勢が、結果としてモバイル環境の快適さに直結する場面は少なくない。特に出先での作業や移動中の利用を前提とするノートPCでは、こうした機能の活用が安定したパフォーマンス維持に貢献するだろう。

Source:Windows Central