ハードウェア検出ツール「CPU-Z Validator」の最新統計により、8コアCPUが2025年第1四半期末時点で最も人気の高い構成となったことが明らかとなった。シェアは32.6%に達し、従来主流だった6コアモデルを大きく上回った。

このトレンドの中心に位置するのが、Ryzen 7 9800X3Dである。同モデルは4.3%の採用率を記録し、軽微なトラブル報告にもかかわらず高い支持を得ている。加えて、上位10モデル中9モデルをAMD製が占めるなど、ZenアーキテクチャによるAMDの攻勢が際立つ。

一方、インテルはシェアを1年で10%落とし、現在の市場占有率は56.3%。上位10機種に名を連ねた同社の製品はCore i5 12400Fの1機種のみであり、その存在感は以前ほどではない。

Ryzen 7 9800X3Dの牽引力と8コア普及の実態

CPU-Z Validatorの最新統計により、2025年第1四半期末時点で8コアCPUのシェアが32.6%に到達したことが確認された。これは、前年まで主流だった6コア構成(現在は22.5%)を大きく引き離す数値である。特にRyzen 7 9800X3Dがこの動向の中心にあり、同モデルは登録された構成のうち4.3%に登場している。

Ryzen 7 9800X3Dは3D V-Cache技術を搭載し、ゲーム性能において高い評価を受ける一方で、一部でトラブルが報告される場面もあった。しかしそれを踏まえても、依然として市場の需要は衰えておらず、実用面での信頼を得ていることが伺える。また、上位10モデル中9モデルがAMD製で占められ、インテル製はCore i5 12400Fがかろうじて8位にランクインしている状況だ。

これにより、かつてのインテル一強の構図は崩れつつあるといえる。CPU選定において単純なブランド信仰ではなく、実際の性能や価格対効果に対する冷静な選別が進んでいる可能性が高い。特にゲーミングPCや高負荷タスクを想定したユーザーにとって、8コア構成は標準的な選択肢となりつつある。

ZenアーキテクチャによるAMDの戦略と市場構造の変質

Zenアーキテクチャは初代Ryzen 1000シリーズで登場して以来、AMDにとって長期的な競争力の源泉であり続けている。アプリケーション性能における優位性から出発し、Ryzen 5000以降ではゲーミング領域にも最適化が進み、ついには3D V-Cacheの導入によって市場の評価を大きく引き上げた。結果としてRyzen 7 7800X3Dや9800X3Dのような高性能モデルが継続的に人気を集める構図が生まれた。

この技術進化が消費者の購買行動にも影響を及ぼしている。かつては4〜6コアCPUが主流だったPC構成も、今や8コアが「標準」として受け入れられつつあり、その価値基準の変化は注視すべきである。特にRyzenシリーズにおいては、価格帯と性能のバランスに優れた5600Xや、ゲーム特化型の7800X3Dなどがラインアップされており、用途別に柔軟な選択が可能となっている。

インテルの市場シェアはこの1年で10%も下落し、現在は56.3%まで後退した。この数字は単なるブランド力だけでは市場を維持できないことを示唆しており、今後はコア数とキャッシュ構造の最適化、ならびに価格設定の戦略が鍵を握ることになるだろう。技術革新が市場構造そのものを再定義する局面に差しかかっている。

Source:Overclocking.com