Nvidiaの最新GPUドライバーに関する複数の問題が、DLSSやG-Syncといった中核機能にまで波及していることが、Gamers Nexusの技術検証で明らかとなった。特定の条件下で再現性が確認されたクラッシュ事例には、『Star Wars Outlaws』や『Marvel Rivals』のような新作ゲームも含まれる。

問題の根幹には、RTX 5000シリーズのリリース以降のドライバー更新が安定性を欠いている実態があり、最も安定とされる「566.36」版は発売前のバージョンに遡る必要がある。DLSS 4やマルチフレーム生成を推す一方で、現状ではそれらを無効化せざるを得ないケースも出ており、極めて深刻な矛盾を内包している。

高額な投資を行ったハイエンドGPUユーザーが、複雑な設定変更や旧バージョンへのロールバックといった回避策を迫られている状況は、開発体制への疑義を一層強める結果となっている。

RTX 5000シリーズを巡る矛盾 最新ドライバーと主力機能の相性問題が顕在化

Gamers Nexusの技術検証により、Nvidiaの最新ドライバーがもたらす不具合の多くが特定条件下で再現可能であることが示された。

特に『Star Wars Outlaws』では、単にメニュー画面から再開するだけでクラッシュする現象が報告され、『Marvel Rivals』においてはDLSSを有効化することが直接的なクラッシュの引き金となるなど、根本的な安定性の欠如が露呈した。DLSSやマルチフレーム生成は、RTX 5000シリーズの発売時に大きく打ち出された新機能であり、これらを有効にできない状況は製品設計上の矛盾を強く印象づける。

この問題を受け、過去のドライバーへのロールバックが推奨される例も出ている。最も安定とされる「566.36」は、2024年12月5日付でリリースされたものであり、RTX 5000シリーズの正式リリース以前に提供されたものである。

にもかかわらず、現行の最新版よりも安定しているとされる点は、ソフトウェア品質の継続的な向上が実現されていない現状を浮き彫りにする。こうした逆転現象が継続すれば、今後の製品信頼性にも重大な影響を及ぼす恐れがある。

機能性の代償としての不安定化 多様化する構成と検証限界の壁

Gamers Nexusの指摘によれば、Nvidiaドライバーの不安定さの一因は、膨大な組み合わせのハードウェア環境と設定にある。数億通り、あるいは数十億通りにも及ぶ構成の存在を前提とすれば、全てのケースを事前にテストすることは現実的に不可能である。

実際、今回の検証ではフォーラムやRedditに頻出する症例をもとに検証対象が選定されており、ユーザー報告に依存した受動的な検証手法にとどまっている点も見逃せない。

DLSS 4やG-Sync、マルチフレーム生成といった最新技術は、高度な映像体験を可能にする一方で、ゲーム側との相互作用において微細な設定差による影響を受けやすい。こうした機能の複雑化は、従来以上にドライバーの安定性を確保する難易度を高めている。

結果として、ユーザー側がDisplayPortからHDMIへの切り替えや、機能の一部無効化といった対症療法を余儀なくされている現状は、ハイエンドGPUのあるべき姿からは遠ざかっている。今後は、機能性と安定性の均衡をいかに保つかが、開発陣に突きつけられる最大の課題となる。

Source:PCGamesN