暗号資産Solana(SOL)が、2024年2月以来初めて100ドルを下回り、年初来安値を記録した。過去24時間だけで8,600万ドル以上のポジションが清算され、市場では売り圧力が顕著となっている。オンチェーンデータでは、アクティブアドレス数が352万から299万へ、新規アドレス数も351万から278万へと減少。

需要と関心の冷え込みを裏付ける形となった。ETF承認の動きなどポジティブ材料もあるが、RSIは39と弱気優勢。今後の価格動向は110ドルラインを回復できるかが焦点となるが、突破に失敗すれば80ドル台までの下落も視野に入る。

Solana価格の急落とアクティブユーザー数の減少が示す市場構造の変化

Solana(SOL)は一時95ドルまで下落し、2024年2月以来となる100ドル割れを記録した。この急落は、米国の対外貿易政策による市場全体のリスクオフ姿勢と連動し、わずか24時間で8,630万ドルのポジション清算が発生するなど、資金の大規模な流出が起きている。特にロングポジションが6,720万ドルに達しており、買い方の損失集中が価格の脆弱性を浮き彫りにしている。

また、オンチェーンの活動指標にも異変が表れている。Solanaのアクティブアドレス数は1週間で約53万減少し、299万まで落ち込んだ。新規アドレス数も73万の減少を記録し、需要と関心の両面で失速が明らかとなった。こうしたユーザー行動の変化は、価格下落だけでなく、Solanaのエコシステムに対する信頼感の揺らぎを示唆している。

これらの事実は、単なる価格変動にとどまらず、Solanaというプロトコルの中長期的な成長性にも一石を投じる内容である。テクニカルな反発の余地はあるものの、実需の減速が続けば回復の持続性には疑問符が付く。市場参加者は価格の節目だけでなく、利用状況の実態に注視すべき局面に入っている。

ETF承認の動きと110ドルの攻防が意味する将来シナリオ

Solana価格は一時的な反発により100ドル台を回復したものの、現時点では106ドル近辺で推移しており、110ドルというレジスタンスラインの突破が次の焦点となっている。相対力指数(RSI)は39と依然として弱気優勢を示し、強い買い戻しが入らなければ、再び100ドルを下回る可能性も否定できない。現在は売り手が優位な構造であり、上値追いには市場の雰囲気の転換が求められる。

一方で、米国内においてSolana ETFの承認を目指す動きが進んでおり、長期的にはポジティブ材料となり得る。ただし、承認の見通しはLitecoinやDogecoinに比して低く、市場への影響は限定的と見られる。ETF承認が実現すれば、機関投資家の参加促進や流動性の改善につながる可能性はあるが、短期的な価格押し上げ材料としては慎重な見方が必要だ。

また、Solanaが分散型取引所(DEX)においてEthereumに首位の座を明け渡したことも、市場心理に影を落としている。ネットワーク利用率や開発者のエンゲージメントが継続して低下する場合、価格水準以上にエコシステム全体の評価が問われる展開になりかねない。110ドルの攻防は単なる価格節目ではなく、Solanaが信頼を取り戻す起点となるかを占う試金石といえる。

Source:Coinpedia