Appleが次期iPhone 17 Proにおいて、前面と背面のカメラ映像を同時に記録する「デュアル録画」機能を導入する可能性が浮上した。これは2013年にSamsungがGalaxy S4で実装した技術と類似しており、Appleが競合他社の旧技術を自社流に洗練させる動きと捉えられる。
Jon Prosser氏のリークによれば、この新機能はiOS 19とともに搭載され、現時点ではProモデル限定とされている。さらに、visionOSに近い丸みを帯びたUIデザインや、アニメーションの質感向上、「TabView」ドックの統合など、大幅なUI再設計も進行中である。
Android端末では低価格帯でも一般化したこの機能が、Appleによってどのように差別化されるのかが注目される中、モバイルOS間の機能競争は新たな局面に入る兆しを見せている。
iOS 19で復活するデュアル録画 Appleが取り込むAndroid過去機能の現在地

iPhone 17 Proに搭載が見込まれる「デュアル録画」は、前面と背面のカメラ映像を同時に記録できる機能であり、Android陣営ではすでに2013年にSamsungのGalaxy S4が「デュアルショット」として実装済みであった。
その後もSamsungは「ディレクターズビュー」などでこの技術を進化させており、現在では他のAndroid OEMも同様の機能を搭載している。中には低価格帯の端末でも利用可能な例もあり、すでに市場で一定の成熟を見せている技術である。
今回のiOS 19におけるデュアル録画は、初期段階ではiPhone 17 Pro限定とされており、Appleはこれを高価格帯機種の差別化要素として位置づける可能性がある。ただし、過去にもAppleは特定モデルの機能を後から他の機種に開放してきた経緯があり、将来的な展開は不透明である。
Appleが今になってこの機能を導入する背景には、映像系SNSやリモート会議需要の高まりを受けて、スマートフォンカメラの利便性を再定義しようとする意図も読み取れる。これまでAppleは、既存の技術を独自に再構築し、新たな体験として提示する戦略を繰り返してきた。
今回の「デュアル録画」も、単なる機能の輸入にとどまらず、撮影中のUIや編集機能、処理性能などを統合的に設計することで、Apple特有の使いやすさと高品質を前面に押し出す展開が想定される。
UI再設計に見るAppleの方向転換 visionOSからiOSへの還流と整合性戦略
Jon Prosser氏のリーク情報によれば、iOS 19ではアイコンやアニメーションにおいて視覚的な変化が加わる見込みである。具体的には、visionOSにインスパイアされた丸みを帯びたアイコンや、Dynamic Islandの動きに似た柔らかなアニメーションが導入される。
これにより、ユーザーインターフェース全体がより直感的で親しみやすい印象に変わると見られている。また、「TabView」と呼ばれる新ドックの存在も指摘されており、Apple純正アプリでのナビゲーション体験の一貫性を強化する狙いがうかがえる。
このようなUIの進化は、単なるビジュアル変更にとどまらない。Appleは近年、iPhone、iPad、Mac、そしてvisionOS搭載デバイスの間でUIの設計思想を共有し始めており、クロスデバイスでの一貫した操作感を提供する方向へ舵を切っている。
今回のiOS 19の変更点は、その流れの一部と見なすことができ、デバイスの垣根を超えたAppleエコシステム内での統合体験を深化させるものと考えられる。加えて、「TabView」がサードパーティーアプリにも開放される可能性が示唆されている点は、Appleがこれまで自社アプリに閉じていたUIパターンを外部にも広げる意志を示しており、開発者とユーザー双方にとって大きな影響を与えると予想される。
UIの刷新は、単なる機能追加ではなく、Appleが次なるフェーズへ進む兆候と見るべきだろう。
Source:Android Authority