Samsungは、Galaxy S20、S20+、S20 Ultraの3つのフラッグシップモデルに加え、Galaxy A52 5G、A72、A32の計6機種について、今後ソフトウェアアップデートの提供を終了すると明らかにした。S20シリーズは約5年間、Aシリーズは4年間にわたりサポートされてきたが、今回の発表により完全にサポート外となる。
特にA52 5GとA72は、5G通信や高リフレッシュレートディスプレイなどを備えたミッドレンジ機として高い評価を受けてきた機種だけに、影響は小さくない。なお、法人向けのA52およびA52sは今後もサポートが継続される。
Galaxy S20シリーズの5年サポート終了で見えるアップデートの現実

Samsungは、2020年に登場したGalaxy S20、S20+、S20 Ultraのソフトウェアサポートを5年で終了すると発表した。これらの機種は、発売当時120Hzのリフレッシュレートや8K撮影対応など、モバイル技術の最先端を詰め込んだ代表的なフラッグシップであった。サムスンは長期間にわたりセキュリティパッチや機能改善のアップデートを提供し続けてきたが、今回の措置によりこの一連の対応が打ち切られる。
サポート終了は、Android端末全般における寿命の区切りを象徴しているとも言える。特にS20シリーズのようにハードウェア性能が依然として通用するモデルにとって、ソフト面での更新終了は突然のリタイアを強いられるようなものだ。加えて、サムスンはこれらの端末に対し「アップデートを提供する可能性がある」としながらも、あくまで例外的対応にとどまると見られる。
性能的にはまだ現役と感じるユーザーも多い中で、セキュリティ面のリスクが今後の課題となる。端末の価値がソフトウェアによって左右される時代において、5年間という区切りが長いのか短いのか、その判断は個人の使い方次第で変わってくるだろう。
A52 5GやA72のアップデート打ち切り ミッドレンジ層に残る悩ましさ
今回の発表では、フラッグシップだけでなく、Galaxy A52 5GやA72といったミッドレンジモデルもアップデート終了の対象に含まれている。これらは手頃な価格帯ながら、90Hz〜120Hzの高リフレッシュレートやステレオスピーカー、5G対応といった機能を持ち、上位モデルに迫る使い勝手を実現していた。中でもA52 5Gは、日本を含む多くの市場で支持を集めたモデルである。
ただし、これらの端末の登場からまだ4年を迎えていない段階でのアップデート終了は、購入当初から長期利用を考えていた利用者にとって計算外となる。Samsungは法人向けエンタープライズ版のA52およびA52sでは引き続きサポートを行うとしているが、個人向けモデルは打ち切り対象となっており、その対応にはギャップが見られる。
このような差は、端末の選択時に十分な情報が提供されていないと見なされる要因にもなり得る。端末のスペックに加えて、どのくらいの期間アップデートが保証されるかを明確にすることが、今後の製品選びにおいてさらに重視されるようになるだろう。
A32もサポート対象外へ ハイエンドから普及モデルまで一斉終了の背景
Galaxy A32も今回のアップデート終了機種に含まれており、エントリー寄りのミッドレンジモデルにまで影響が及んでいる。A32は2021年に登場し、比較的価格を抑えながらもAMOLEDディスプレイや5000mAhの大容量バッテリーを搭載するなど、日常用途において十分な性能を提供してきた機種である。それでも約3年でサポート終了となる点には注目が集まる。
A32のようなモデルは、スペックを重視しない層にも広く受け入れられてきたが、今後アップデートが提供されないことで、セキュリティパッチの欠如や新アプリとの互換性問題が避けられない。これにより、買い替えに消極的だったユーザー層にも、思わぬ負担やストレスが生じる可能性がある。
また、A32が含まれることで、Samsungの今回のアップデート終了は価格帯やグレードに関係なく、一定期間を過ぎた全モデルに共通の方針であることがうかがえる。手頃なモデルであっても長く使いたいという期待に対して、メーカーがどこまで応えてくれるかという点が、改めて問われている。
Source:SamMobile