Samsungが2025年4月のOne UI 7アップデートで導入した「ジンバル被写体追跡」機能が注目を集めている。この新機能はGalaxy AIを活用し、動く被写体を自動的にフレームの中心に保つことで、ジンバル不要の安定した動画撮影を可能にする。
現在はGalaxy S25シリーズ限定だが、今後はZ Fold 6やZ Flip 6などの上位モデルにも拡大予定。走る子供やペットなど動きの激しいシーンでも構図が乱れにくく、Vlogやスポーツ動画など幅広い撮影用途で威力を発揮すると期待されている。
カメラアプリ内の動画モードで設定をオンにするだけで使用可能となっており、スマートフォン単体で高品質映像を目指す撮影環境に新たな選択肢をもたらしつつある。
Galaxy S25に限定搭載された「ジンバル被写体追跡」の正体

SamsungがOne UI 7にて導入した「ジンバル被写体追跡」は、従来の手ブレ補正とは一線を画す機能である。Galaxy AIの力を借りて、動いている被写体をリアルタイムでフレーム中央に捉え続けるという仕組みが特徴で、撮影者がカメラを振っても被写体を逃さず追従する。この技術により、走っている子どもやペット、ダンスやスポーツといった激しい動きでも安定した構図が保たれる。
この追跡機能は、Vlogやアウトドアでのアクション撮影といった実用的なシーンを想定して設計されており、プロ仕様のジンバルを用いずとも類似した映像表現が可能となる点で革新的といえる。Galaxy S25シリーズに先行搭載され、今後Z Fold 6やZ Flip 6などの機種にも順次拡大予定とされており、幅広い層への波及が見込まれる。
特筆すべきは、この機能が特定のハードウェアに依存せず、AIベースで制御されている点である。そのため、将来的に旧機種への提供も視野に入っていると考えられるが、現時点では最新フラッグシップモデルへの限定展開にとどまっている。
高性能を引き出す操作性と用途の幅
このジンバル被写体追跡は、カメラアプリ内の動画モードに組み込まれており、特別な操作を必要としないのが利点である。設定項目で「ジンバル追跡」を有効にするだけで、追尾が自動で開始され、常に被写体が映像の中心に位置するよう補正される。AIによる動きの解析は極めて自然で、被写体の加速や方向転換にも即座に反応する。
この直感的な操作性により、撮影スキルに関係なく安定した映像を撮影できるようになった点は見逃せない。たとえば、家族の記録映像や旅行中の風景、ライブイベントなどでも威力を発揮する。従来なら手ブレで見づらくなっていた動画が、スマートフォン単体で劇的に見やすくなることは、多くの場面で撮影スタイルに影響を与える可能性がある。
ただし、物理的なジンバルと異なり、限界のある電子的補正であるため、大きな衝撃や複雑な被写体動作では追従が遅れる可能性も否定できない。だがそれを踏まえても、携帯性や即応性という点で、手軽に本格的な撮影ができる利便性は群を抜いている。
Source:Sammy Fans